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乳幼児におけるアレルギー性鼻炎

2024.01.29

投稿者
クミタス

アレルギー性鼻炎の​小児における有病率は増加しており、また発症年齢は低年齢化しているとの示唆がなされています。一方で小児のアレルギー性鼻炎ではアレルギー結膜炎、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などを合併している場合も多く、またアレルギー性鼻炎と言われて通院していた乳幼児で抗原特異的IgE抗体が陰性であったケースは少なくないなど、低年齢の乳幼児ではアレルギー性鼻炎の検査や診断が難しい面があるとの報告、意見もあります。実際の有病率はどのような状況なのでしょうか?

2019年度福井市主催の1歳6か月児健診・2022年度福井市主催の3歳児健診において, 耳鼻咽喉科専門医による鼻内診察, 鼻汁中好酸球検査, ダニ・ネコ・スギの抗原特異的 IgE 抗体検査 (イムファストチェック J1)、保護者を対象とした児の鼻症状や生活歴アンケート調査を行い、小児のアレルギー性鼻炎の有病率を検討したところ、
2019年1歳6か月児健診を受診した 388人中、抗原特異的IgE陽性者はダ二12人 (3.1%)、ネコ4人 (1.0%)、スギ2人 (0.5%) であった。
一方、2022年3歳児健診を受診した566人中、抗原特異的IgE陽性者はダニ142人 (25.0%)、ネコ 46人 (8.1%)、スギ41人 (7.2%)であった。
1歳6か月児のアレルギー性鼻炎の有病率は低く、10年間での増加はなかった一方、3歳児における抗原感作率は予想以上に高く、アレルギー性鼻炎の有病率も高いことが予想される結果となった(出典・参照:吉田加奈子 小山佳祐 加藤幸宣 意元義政坂下雅文 高林哲司 藤枝重治 福井大学耳鼻咽喉科 頭頸部外科 乳幼児におけるアレルギー性鼻炎の疫学調査)。

アレルギー性鼻炎は罹患期間が長期に渡る場合もあり、不機嫌、集中力低下、睡眠障害に影響を及ぼすことがありますが、乳幼児の発症時期と診断に関して、また掲載したいと思います。

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