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アレルギーと概日リズム 2.8更新

2018.12.29

投稿者
クミタス

体内では“体内時計”により、ホルモンの分泌や代謝、睡眠リズムといった概日(約1日周期の活動)リズムを制御しています。概日リズムの異常は、時差ボケ、集中力や作業効率の低下、睡眠障害などをおこすだけでなく、疾患との関連等も考えられており、体内時計のリズムは、様々な遺伝子の発現に影響している可能性が考えられています。

肝臓の時計は光ではなく食事によって調整されているとの示唆もありますが、体内時計はアレルギー反応の時間的調節においても役割を果たしている可能性が示唆されており、免疫細胞の1つであるマスト細胞自身にも体内時計があり、ヒスタミンなどの化学物資を放出する脱顆粒反応の強弱程度は、1日の時間に応じて調節していると見られています。
身体変化として以下例が挙げられています。

・喘息
午前4時ごろなど夜間の増悪
午前4時ごろは1日の中でアドレナリン血中濃度が低く、サイクリックAMP血中濃度やコルチゾール血中濃度が低く、ヒスタミン血中濃度が高い傾向にあることで、ピークフロー低下、気道狭窄しやすい時間帯でもある
・アレルギー性鼻炎:くしゃみ、鼻水、鼻詰まり
朝7時ごろなど深夜から早朝、起床後数時間内で増悪しやすい
・慢性蕁麻疹
夕方~夜の増悪
・ヒスタミン、抗原に対する感受性が最大
夜10時ごろ
・血中好酸球、リンパ球数最大
夜11時ごろ

マウスの花粉症モデルやスギ花粉症患者さんの細胞を使用した研究では、体内時計の時間(時刻)を変化させる化合物をマスト細胞に投与したところ、花粉などのアレルゲン刺激によるマスト細胞の脱顆粒反応を弱めることができた、との報告もなされていますが、上記などの増悪しやすい時間帯に有効となるような予防的治療などによっても、症状低減につながる可能性もあります。また情報をアップデートしていきたいと思います。

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