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アメリカでの乳アレルギーの状況から

2018.11.22

投稿者
クミタス

アメリカでの食物アレルギーにおける主要アレルゲンは、牛乳、卵、魚類(スズキ目の魚、ヒラメ、タラなど)、甲殻類(カニ、ロブスター、エビ)、ナッツ類(アーモンド、クルミ、ピーカンナッツなど)、ピーナッツ、小麦、大豆であり、アナフィラキシーの原因食物としては、ピーナッツ、ナッツ類が多い状況ですが、食物アレルギー患者さん1人あたりの医療費では、乳アレルギー患者さんで最も高いとの示唆もあり、比較的短期で受診、加療が必要でない状態となっていない場合もあることも伺えるところでもあります。

新たに、2015年10月から2016年9月までの期間で、米国全土の子供がいる世帯の53,000人以上の親を対象にした調査から、ACAAI(AMERICAN COLLEGE OF ALLERGY, ASTHMA, AND IMMUNOLOGY)では5歳未満のすべてのアメリカの子どもの2%以上が乳アレルギーを有し、1歳未満の食物アレルギー児の53%が乳アレルギーを有していると回答したことを報告しています。
米国の乳アレルギー児の約26%でエピペンを保有していますが、上記の8つのアレルゲンの中でも、乳アレルギーにおいて最も保有率が低い、との報告もあります。症状程度も様々で、「乳」においては、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎、乳糖不耐症の原因食物となることもありますが、日本国内で輸入商品においてコンタミネーションによる残留程度により、アレルギー症状が出現する方も存在しており、「乳」においては事故事例も見られています。
例:コンタミネーションが原因と考えられる、乳アレルギー症状出現事例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1767
2016年6月 イケア スウェーデンフードマーケットで販売の
CHOKLAD MÖRK(ダークチョコレート)
CHOKLAD MÖRK 70%(カカオ70%ダークチョコレート)

海外製品においては製造ライン上で使用されているアレルゲンの明示、残留程度の把握と食品パッケージ上での原材料、アレルギー表示も含め適切な対応が望ましいところでもあるでしょう。

出典・参照:Milk allergy affects half of US food-allergic kids under age 1 AMERICAN COLLEGE OF ALLERGY, ASTHMA, AND IMMUNOLOGY

2007年~2016年のアメリカにおける食物アレルギーでの医療費の動向、内訳
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2435
アメリカでのアナフィラキシーの状況
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2265

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