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誘発閾値と症状の重症度との関連性は?

2018.08.24

投稿者
クミタス

経口免疫療法は食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認した後、原因食物を医師の指導のもとで経口摂取し、閾値上昇または脱感作状態とした上で、耐性獲得を目指す療法になります。安全性が十分に検討されていない状態で、誘発閾値を超えた摂取は症状誘発リスクが高く、望ましくありませんが、誘発閾値が上昇していくことで耐性獲得し得ることが期待されます。

誘発閾値の設定は、摂取可能量の把握、摂取を進めるうえで重要ですが、誘発閾値が低いことは症状の重症度と相関するとは限らないとの示唆はいままでにも示されており、誘発閾値が低いからといって出現する症状が重いとは限らない可能性もあり、また誘発症状が軽症化しても、誘発閾値が上昇しない場合もあります。

食物経口負荷試験を実施した734名において、誘発症状の重症度の予測因子を解析したところ、年齢、皮膚プリックテスト、特異的IgE値、反応時間などは誘発症状の重症度との関連が考えられるが、誘発閾値において、アレルギー反応の重篤度予測因子としての有用性は低いと考えられると示唆しています(出典・参照:Pettersson ME et al. Prediction of the severity of allergic reactions to foods. Allergy 2018)

誘発閾値が低ければ重い症状が出現することになる、誘発閾値が高ければ出現する症状は軽度というわけでない面があることを、改めて踏まえておけるのが望ましいでしょう。

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