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細気管支炎と喘息

2018.01.13

投稿者
クミタス

ライノウイルスは風邪を引き起こす主なウイルスと考えられており、RSウイルスは乳幼児期の喘鳴、小児気管支喘息の発症に影響を与えるとの示唆が複数の研究で見られています。
RSウイルスは2歳までに多くの児で感染を経験しているとみられていますが、RSウイルスに初めて感染した際には、多くは上気道炎(いわゆる風邪)で終息するものの、1歳未満での初感染においては喘鳴、湿性咳嗽、呼吸困難などを伴う細気管支炎や肺炎を惹起することがあり、重症細気管支炎で入院した児の約半数において反復性喘鳴を生じることが、複数の観察研究で報告されています。

フィンランドで生後6カ月までに細気管支炎で入院した小児を追跡調査し、11~13歳時点で検査した138人において、医師が喘息と診断したのは13%であり、一般フィンランド人集団の約2倍となった(出典・参照:Risk factors for asthma after infant bronchiolitis.)、との報告もあり、入院が必要となる細気管支炎を生後6か月までに経験している方での、喘息有病率は経験していない方に比べて高い可能性があるとの示唆もあります。

細気管支炎の重症化を防ぐ対策として、2歳未満のRSウイルス感染細気管支炎児に3か月間ロイコトリエン受容体拮抗薬(モンテルカスト)を投与したことで、発症1年内の反復性喘鳴の頻度が有意に低くなったとの報告もあり、実際に有用となれば、RSウイルス感染細気管支炎からの喘息発症予防の一助となる可能性もあるかもしれません。


出典・参考:Risk factors for asthma after infant bronchiolitis
NIID 小児科領域におけるRSウイルス感染症

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