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塗料等を削り飛ばす用途で使用されるクルミ殻粉の吸引とアレルギー

2017.10.24

投稿者
クミタス

既に塗られていた塗料や風化している部分を削りとる用途で、細かく砕いたクルミの殻をコンプレッサーでエアーと一緒に吹き付け使用されることがあります。

ツリーナッツにアレルギー症状のあるカナダ人の33歳男性が、クルミ殻粉などを使用して表面の鉛塗料を削り、素地調整をするサンドブラスト作業の現場を訪れ、建物内に入り約20分ほど経ち外に出た後、喉などの腫れ、呼吸障害、アナフィラキシーショックを起こし、入院5日後に亡くなった、との報告が2017年10月になされています。

亡くなられた33歳男性においては、過去にアレルギーによる入院歴はあるものの、ツリーナッツを除去することができており、アドレナリン自動注射器は常に携帯しているわけではなく、この日も携帯していなかった、と見られています。

サンドブラストによる素地調整のためにこれまで使用されていたシリカは、肺疾患、呼吸器疾患リスクを高めることから、クルミの殻、ココナッツの殻、トウモロコシの穂軸などが使用されるようになっています。
今回の痛ましい出来事の原因が、クルミ殻の粉の吸引によるアナフィラキシーショックであるか、現在調査中ではありますが、サンドブラストで使用されるクルミの殻は砂のように細かく均一に砕かれており、一定量吸入され得る状態とも言えます。

自然にやさしいという観点などでも、日本においても食物成分が使用される機会も見られていますが、作業現場などで食物成分を使用し、その成分の粉じんが浮遊している場所においては、その旨の表示がおこなえることも、今後求められる対応となるかもしれません。

Walnut particles in sandblaster linked to Canada man's death
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-41726498

クルミによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2286

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