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フキノトウによるアレルギー

2017.03.04

投稿者
クミタス

ふきのとうによるアレルギー


フキはキク科フキ属の植物で、他にキク科植物にはブタクサ、ヨモギ、コスモス、フランスギク、食用菊なども該当します。
茎のように見える葉柄(ようへい)はフキとして、苞(ほう)に包まれた花のつぼみ部分はフキノトウと称され食されます。
フキノトウは雌雄異株で、花粉ごと食される点が特徴的な点でもあります。
フキノトウを摂取してアレルギー症状が出現した例として以下等の報告例があります。

 

キク科植物の花粉への感作、花粉症の既往


66歳女性(趣味で花や野菜などを多数栽培。既往歴:花粉症(キク科、スギ)、高脂血症、高血圧)
食用菊のおひたしを摂取30分後に眼のかゆみとくしゃみ、そして腹痛と悪心もきたしたため救急外来にて、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム投与後、症状軽快
CAP-RAST法でブタクサ、ヨモギ、フランスギク陽性
プリックテストで食用菊の花粉、フキノトウの小花(雄株)・苞葉、コスモスの花粉、ブタクサで陽性、食用菊の花弁は陰性

36歳女性
夕食にフキノトウの天ぷらを摂取後、喉のかゆみ、嘔吐、さらに咽頭の腫脹、呼吸困難、蕁麻疹が出現
CAP-RAST(class)では、ヨモギ3、ブタクサ1、スギ3、カモガヤ0
フキノトウの小花,苞のprick to prick testで陽性(花粉がついている雄株で陽性)

50歳女性(既往歴:春と秋に花粉症)
フキノトウの天ぷらを摂取後、上腹部不快感と鼻閉感、その後口腔内のしびれと全身に蕁麻疹が出現
CAPRAST(class)では、ヨモギ3、ブタクサ2、スギ4、カモガヤ0
フキノトウの小花,苞のprick to prick testで陽性(花粉がついている雄株で陽性)

など、キク科植物の花粉症の既往のある方、感作している方でのフキノトウアレルギー発症例が見られています。

口腔アレルギー症候群(OAS)の症状や全身性の症状

​​
小児
15歳女児(既往歴:花粉症、慢性B型肝炎ウイルス感染症)
ホタテ、ハム、フキノトウの炒め物の摂取30分後に咽頭痛、呼吸苦、次第に発疹、下痢
その後4時間後に救急外来を受診しエピネフィリン、メチルプレドニゾロン、H1ブロッカー、H2ブロッカー投与後、呼吸苦と咽頭の違和感は次第に軽減

成人
35歳男性
フキノトウ摂食4時間後に顔の腫脹が出現(その後のプリックテストでは雄花で陽性)

75歳女性
フキノトウ摂食10分後に眼周囲のそう痒と咽頭の違和感を自覚(その後のプリックテストでは雄花で陽性)

71歳女性
フキノトウ摂食3時間後に全身のそう痒性皮疹を自覚(その後のプリックテストでは雄花で陽性)

66歳女性
フキノトウ摂食数分後に嘔気と手のそう痒感を自覚した(その後のプリックテストでは雄花で陽性)

上記症例等からも、口腔アレルギー症候群(OAS)の症状から全身性の症状まで出現することがあります。

摂取直後の症状出現~時間を経たアナフィラキシー出現


摂取数分後~4時間後での症状出現、また4時間後にアナフィラキシーに至る例など、摂取してすぐに症状出現する場合、数時間経て出現、進展する場合が見られています。

熱に対し安定的なアレルゲン

​​
​成人
27歳女性
フキノトウ、アボカド、キャベツ、チーズの入ったパスタを摂取後、口唇の腫脹、吐気、動悸、全身に膨疹が出現し、2時間後に意識消失
特異的IgE抗体(class)ではヨモギ4、オオブタクサ4、フランスギク4、タンポポ4、アボカド2
プリックテストでは,フキノトウ雄花(加熱、非加熱とも)2+、アボカド2+、キャベツ2+、ヨモギ2+
口含み試験ではフキノトウのみ陽性であり、フキノトウによる口腔アレルギー症候群から進展したアナフィラキーショックと診断された

上記の炒め料理、パスタ料理、天ぷらなど加熱調理後の摂取での症状出現例、プリックテストで加熱、非加熱とも陽性となった例などからも、熱に安定的な抗原の存在が考えられます。
また、​患者血清を用いて行った免疫ブロットでは,15 kDaと20 kDa付近のアレルゲンが検出されたとの報告もあります。

雄花の花粉がアレルゲンである可能性


プリックテストでは雄花での陽性反応が見られており、抗原となるのは雄株(花粉等)である可能性が示唆されています。

フキノトウアレルギーにおいては、キク科のフキと同じキク科植物の花粉症の既往のある方、キク科植物花粉に感作している方での発症が多い傾向が見られています。
早春~春に見られる機会の多いフキノトウですが、キク科植物に花粉症の既往のある方においては、すべてのキク科植物に症状出現するとは限りませんが、症状出現可能性はありますので、留意されるのが望ましいでしょう。

キク科植物 あの野菜・植物の科は? 
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/909

また加熱調理後の摂取での症状出現はあり得、アナフィラキシーの出現までに時間を要する場合があることも留意したい点でもあります。


出典:
フキノトウによるアナフィラキシーの小児例
フキノトウによるアナフィラキシーショックの1例
キク科花粉症を合併した食用菊とフキノトウによるアレルギーの1例
フキノトウアレルギーの4例
フキノトウによる口腔アレルギー症候群の2例

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