眼の表面には涙液があり、眼の洗浄、栄養補給、感染予防に重要なはたらきをしますが、眼表面に炎症がある場合には多量の涙液が産生され、炎症に関与するサイトカインなどの物質や、炎症により産生されたぺリオスチン等の物質が含まれることがあります。
涙液がスギ花粉に暴露すると
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)、通年性アレルギー性鼻炎において、目のかゆみの症状のある方は多くいらっしゃるかと思います。
涙液にスギ花粉が暴露するとスギ花粉が破裂(ハッチアウト)し、スギ花粉の抗原(アレルゲン)であるcry j1、そして花粉内部に存在するcry j2が涙液に放出され、スギ花粉抗原に感作することにも繋がります。
症状に影響する可能性のある因子(一例)
黄砂
マウスでの試験では、スギ花粉の抗原を含む溶液を点眼した群は1時間後に結膜充血が見られ、スギ花粉の抗原を含む溶液と黄砂を点眼した群ではより結膜充血が強く、24時間後時点でスギ花粉の抗原を含む溶液の場合は結膜充血が改善したが、スギ花粉の抗原を含む溶液と黄砂を点眼した群では、ほとんどのマウスで目をこする動作が見られ充血が強くなっており、涙液中のIgE抗体価はスギ花粉の抗原を含む溶液と黄砂を点眼した群でより高かった(出典:眼科領域におけるアレルギーと環境因子-環境汚染によるアレルギー性結膜炎の増悪作用-)、との報告もあり、黄砂含有成分が増悪因子となる可能性、黄砂が含まれる中で眼をこすることでより摩擦刺激が強くなり、花粉の抗原が結膜下に刺激を与えやすい状態になる可能性も考えられています。
ドライアイ
涙液が少ないため、花粉抗原を洗い流すことが難しく、また、眼表面のバリアである角結膜上皮(表面)や涙が目に均一に覆われる上で重要な役割を担うムチンの発現が障害され、眼表面に付着した抗原が結膜上皮(表面)を通過してアレルギー反応が起こりやすくなる面があります。
妊娠期
妊娠中は性ホルモンの変化により角膜知覚の低下、角膜厚の増加、角膜の形状変化、近視化、眼圧変化などが起こる可能性があるとも言われていますが、花粉症対策として妊娠期に使用できない薬剤や療法もあることで、症状対処に時間を要する等の場合があります。
また、点眼剤によっては、胎児に影響し得る成分が含まれる場合もありますので、ドラッグストアで購入する際や処方時には確認されるのが望ましいでしょう。
対処として
花粉暴露対策としては以下等が一例に挙げられます。
・抗原暴露量の低減
防腐剤無添加の人工涙液などで眼の外に破裂(ハッチアウト)した花粉を洗い流すことも1例に挙げられます。また第2世代の抗ヒスタミン薬の点眼剤で、破裂(ハッチアウト)率を抑える効果も挙げているものもあります
・上皮に傷をつくらない
抗原による刺激を抑え眼の症状を増悪させないためにも、できるだけ眼を強くこすらないようにします
ほかにも暴露量を少しでも減らす予防策や、スギ花粉の舌下免疫療法などもありますが、ご興味のある方は医師にご相談ください。
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