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プール水に多く含まれる可能性のある臭素酸

2016.10.29

投稿者
クミタス

ポッカサッポロロフード&ビバレッジで販売中の富士ピュア社製造のナチュラルミネラルウォーター「富士山麓のきれいな水 2L」より、基準値の2倍の臭素酸が検出されたことで、当商品と同じ工場で製造の」富士山の清らかな水 2L」とともに回収となりました(2016.10)が、「富士山麓のきれいな水 2L」からは基準値0.01mg/L以下に対し、0.02mg/Lが検出されています。

発がん性を指標とした場合、水道水においては、ラットの飲水投与における精巣の中皮腫の発生率増加を鑑みての実質安全量として0.357μg/kg 体重/日との算出がなされており、体重50㎏の方においては1日の実質安全量は17.85μg(=0.01785mg)となり、体重 50kgのヒトが1日2Lの飲料水を摂取すると仮定すると飲料水に関しての評価値は0.009mg/L(≒0.00893mg/L)、概ね0.01mg/Lと考えられることから、当面、評価値を0.01mg/L とすることが適当であるとしています(出典:食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会)。

急性毒性の観点では臭素酸塩において、悪心、嘔吐、腹痛、無尿、下痢、種々の中枢神経抑制、溶血性貧血及び肺水腫、または腎不全、聴覚障害の影響があり、臭素酸として185~385mg/kg 体重 以上の摂取で認められるとしています。

​臭素酸が含まれる理由


臭素酸は水道水からの摂取機会があり、水道水中に臭素酸が生成されるには、以下等が原因になると考えられています。
・原水中の臭化物イオンがオゾン処理時に酸化されて生成
・消毒剤として使用される次亜塩素酸ナトリウムに含まれる不純物が原因となり生成
・原水中の臭化物イオンと残留塩素が共存している場合に紫外線照射により生成

水道水においては水質基準項目と基準値が設けられており、臭素酸は対象となる51項目の1つになります。

臭素酸と接触する機会として


東京都多摩地域にある東京とプール等取締条例第3条の許可を受けた容量50㎡以上の貯水槽がある屋内外のプールを対象にした2010年7月~9月実施の調査文献では、屋外プールで0.354mg/L、0.387mg/Lといった高濃度での臭素酸検出例が報告されており、水道水の基準値の35倍超等と大幅に上回っているプールがあることが伺えます。
尚、子供用の小プール、スライダープールなどのプールのタイプの違いによる臭素酸濃度に違いはなく、プール容量と臭素酸濃度との相関関係は見られておらず、調査した中ではむしろ屋外の子供用小プールでの濃度が高かったとあります。
尚、臭素酸濃度の高いプール水においては、塩素酸濃度も高く基準値の50倍程の濃度で検出されています。

遊泳中に水を誤飲する量としては50mlほどとも見られていますが、50mlの臭素酸0.38mg/L含有プール水を飲んだ場合、0.019mgの臭素酸を経口摂取することになり、体重50㎏の方の場合の発がん性を指標とした1日の実質安全量17.85μg(=0.01785mg)を上回ることになります。

プール水の消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウムを前年使用残分を空気にさらされた状態で使用したり、温度が高い環境での次亜塩素酸ナトリウムの保管、光が当たる環境での保管により、分解が進み塩素酸の産生も多くなると考えられています。

プールによっても程度に差はあるものの、プール水において消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウムの適量使用、品質、保管状態においても配慮が求められるところでもあります。

参考:紫外線による臭素酸生成の実態と低減化対策
屋外プール水中の塩素酸及び臭素酸濃度の低減化策の検討
遊泳用プール水中の消毒副生成物等に関する調査結果(第1報)

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