小麦にアレルギー症状のある方でも、醤油に使用される小麦にアレルギー反応を感じない、大豆にアレルギー症状のある方でもみそに使用される大豆にアレルギー反応を感じないという方も多くいらっしゃるかと思います。
アレルギー反応がある方もいらっしゃいますが、実際にはどのくらいの割合の方でアレルギー反応がおこっているのでしょうか?
小麦アレルギーの方95名、大豆アレルギーの方14名、両方にアレルギーのある方6名にて、醤油、みそを摂取しアンケート回答をおこなったところ、アレルギー反応以外の異変も含まれ可能性はありますが
小麦アレルギーの方95人中10人に醤油に何らかの反応を感じ
大豆アレルギーの方14人中7人が醤油に、10人が味噌に何らかの反応を感じた
との回答があったとの報告があります。
アレルゲンとなるタンパク質による分解程度の違い
みそに含まれる大豆のアレルゲンタンパク質の残存程度の調査報告によると、文献差はありますが
・蕁麻疹やアトピー性皮膚炎との関連が考えられるGly m Bd 30Kは低減はしているが、米味噌では特に完全に消失はせず一部残存が確認された
・花粉との交差反応性のあるGlym4はほとんど検出されないほどに低減していた
・Glym3は特に甘口米味噌では比較的残存しているものも多かった
との結果もみられ、タンパク質量全体は低減しているものの、商品によりアレルゲンタンパク質によっては一部残存がみられる可能性があり、微量に反応する方においてや、摂取量が多い場合には症状出現がおこる可能性はあるとも言えます。
一方、発酵食品においては分解されたアミノ酸の一種であるヒスチジンが、微生物の脱炭酸酵素により、ヒスタミンに変わることがあります。
商品差はあり、微量ではありますが、ヒスタミンは味噌と醤油では醤油から、より高濃度に検出されることがあり、食品中のタンパク質へのアレルギー症状ではなく、ヒスタミンへのアレルギー様症状をおこす可能性も考えられます。
煮る、炒る、揚げるでも低分子化されずに残存するアレルゲンタンパク質もありますが、アレルゲンとなるタンパク質によっては、低分子化、低減化し得る調理法がある場合もあります。お子さんやご自分において、ヒスタミンへの反応なのか、また、どのタンパク質がアレルゲンなのか今後より把握できることで、食べられる調理品、加工品が増えるかもしれません。
出典・参考:小麦または大豆アレルギー患者における醤油や味噌の安全性に関する調査
各種大豆加工食品のアレルゲン性評価法1~加工によるアレルゲンの変性~
発酵食品中のアレルゲン及び機能性物質の調査
大豆アレルギーの多様性と味噌の低アレルゲン性の検証
高圧蒸気処理および江戸甘味噌製造過程における大豆アレルゲンの消長
大豆発酵中のヒスタミン及びチラミン濃度の調査及び経口曝露の推定
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