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インフルエンザ生ワクチンに含まれるオボアルブミン量、アレルギー反応程度は?

2015.12.10

投稿者
クミタス

インフルエンザワクチンは注射による摂種の不活化ワクチンにおいて3価から4価(A型2株、B型2株)へと移行していますが、注射以外に針を使わない鼻腔噴射の4価生ワクチン(LAIV)もあります。日本では未認可ですが、米国ではFlumist(フルミスト)の名称、欧州ではFluenz Tetra(フルエンズ・テトラ)の名称の製品が使用されており、日本でも一部のクリニックにて導入されています。

生ワクチンにはどのくらいオボアルブミンが含まれているか?


海外のワクチンには鶏卵での培養ではなく、細胞培養でつくられた卵の成分をほとんど含まないワクチンもあります。また鶏卵での培養でつくられた不活化ワクチンでも、オボアルブミンが0.12μg/mL未満のものもあり、卵アレルギーの方でも問題ないレベルとされているものもあります。

Fluenz Tetra(フルエンズ・テトラ) 、Flumist(フルミスト)の名称のインフルエンザ生ワクチンも培養に鶏卵を使用しており、アレルゲン成分であるオボアルブミンが微量含まれます。

実際に含まれるオボアルブミンの量は以下とされています。

Fluenz Tetra(フルエンズ・テトラ)・Flumist(フルミスト):
オボアルブミン含有量は1.2μg未満/mL。0.24μg未満/ワクチン1回投与分0.2mLあたり
Fluenz Tetra(フルエンズ・テトラ)、Flumist(フルミスト)は、地域で名称が異なりますが、同じものになります。接種は生後24か月以降が対象となっています。

日本で注射により接種する不活化インフルエンザワクチンにおいては、オボアルブミン含有量は2~8μg/mLほどとの意見もあり、卵アレルギーの方で日本の不活化インフルエンザワクチンでアレルギー反応が無かった方には、理論上では使用できる範囲と言えそうですが、実際に鼻腔接種による生ワクチン接種後に卵アレルギーの方において、どのような反応があったかが伺える研究報告があります。

インフルエンザ生ワクチンに含まれる卵タンパク質へのアレルギー反応程度は?


インペリアル・カレッジ・ロンドンのチームによる、卵アレルギーを持つ2歳~18歳における卵タンパク質を含む弱毒化生インフルエンザワクチン(フルエンズ・テトラ)の安全性に関する調査報告が最近成されました。
Safety of live attenuated influenza vaccine in young people with egg allergy: multicentre prospective cohort study
https://www.bmj.com/content/351/bmj.h6291

対象:
卵アレルギーのある2歳~18歳の779人を対象
全体の約40%を占める315人は、過去12カ月間で卵にアレルギー反応を示した方
全体の約35%を占める270人は卵にアナフィラキシーを経験しており
そのうち157人は呼吸器、または心血管系の症状を経験している
全体の約57%の445人は医師に喘息または反復性喘鳴があると診断された方で
そのうち53人(全体の約6.8%)はWAO(世界アレルギー機構)Grade 3+
56人(全体の約7.2%)はアレルギー検査の結果だけで一度も卵を摂取しないでいた方

摂取後の症状:
ワクチン接種の2時間以内の反応においては、深刻な全身のアレルギー反応の出現はなかったが、約1.2%である9人においては、皮膚の発疹、くしゃみ、かゆみ、鼻づまりや鼻水などの症状が出現した。
2時間経過以降、221人においてアレルギー症状が報告された。62人においては72時間以内に下気道症状があり、そのうち29人は喘鳴があったと親に報告したが、入院が必要になるものではなかった。
ワクチン接種4週で下気道症状の増加は起こらなかった。

示唆:
Fluenz Tetraにはオボアルブミンが含まれるが、卵アレルギー症状のある方が接種することで、深刻な全身性のアレルギー症状の出現可能性は低いと考えられ、今までに卵に深刻なアナフィラキシーを経験していない方にとっては、接種可能と考えられる。

比較的重度の方が一定数占める中では、生ワクチン接種後の症状としては、重症例が多くはない印象なのではと思います。
鼻腔接種生ワクチンは2歳以降からの接種となっています。他にも接種対象制限がありますが、2歳時点では、実際に卵を食べてみてどういった症状があるかがわかってきている方もいらっしゃる時期でもあるかと思います。
すでにインフルエンザに何回かインフルエンザに罹患した成人においては、ワクチン効果が得られにくい可能性はありますが、卵にアレルギー反応がある方でなくてもワクチン接種により不調をきたす可能性はありますが、興味のある方、ワクチン接種の必要のある方は、相談されてもいいかもしれませんね。

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