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自宅でジェルネイルを施行していた方のケース〜アレルギー性接触皮膚炎

2025.11.24

投稿者
クミタス

ジェルネイルの含有成分によりアレルギー性接触皮膚炎を生じることがあり、手指,指腹,爪囲周囲に水疱を伴う紅斑,落屑,強い痒みや灼熱感、色素沈着、爪甲の変形を伴うこともあります。
ジェルネイルと接触皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4788
 
67歳女性。既往歴:特記すべきことなし。
初診の2年前より手の爪に二枚爪を認め、1〜2カ月に1回の頻度で自分でジェルネイルを施行していた。3カ月前から爪が軟らかくなり、混濁・肥厚が生じるとともに、軽度の疼痛を自覚するようになった。 2カ月前にジェルネイルの使用を中止したものの、 症状の進行がみられたため受診。 真菌鏡検は陰性であり、原因精査のために当科を紹介受診した。
両示指〜小指の爪甲遠位3分の1が剥離して脱落し、疼痛を伴っていた。パッチテスト結果 (Meth) Acrylate Series(Chemotechnique Diagnostics社)のレジン15種 各2%とコントロールの白色ワセリンの16種類で行った。 4日後判定で2-hydroxyethyl methacrylate +,ethylene glycol dimethacrylate +, ほか 14種は陰性であった。
末梢循環の改善を目的としてトコフェロール酢酸エステルと栄養補給のためビオチンの内服を開始し、あわせて手指保湿のためヘパリン類似物質油性クリームの外用を行った。その結果、初診後5カ月 (ジェルネイル中止から7ヵ月)で爪の変形、疼痛は軽快した(出典・参照:日根岳 永谷圭 角田孝彦 佐藤紀嗣 レジンのアレルギー性接触皮膚炎による爪の変形)。
自宅でジェルネイルを施行していた方のケースになりますが、ランプの寿命などでライトによる硬化不十分などが生じる可能性もあるなど、症状を誘発しやすい環境となっている場合もあります。今後も他の報告なども掲載したいと思います。

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