1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

1,3-ブチレングリコールによる皮膚炎

2024.02.13

投稿者
クミタス

1,3-ブチレングリコールは保湿目的や溶剤として、また他の防腐剤と併用することで抗菌性が高まるとみられ、化粧品や外用薬などに広く使用されており、化粧品による接触皮膚炎の原因物質の12%を占めるとの示唆も見られています。
 
ケース1
28歳女性。化粧品による接触皮膚炎を生じ,半年後異なる化粧品を使用しても再度接触皮膚炎を生じた。接触皮膚炎の度に化粧品のパッチテストを行い、2度とも数種の化粧品において陽性を呈した。化粧品メーカーの協力で、陽性であったクリームについて成分パッチテストを施行したところ、1,3-ブチレングリコールで陽性を呈した。検索した結果、パッチテストで陽性を呈していた化粧品には全て1,3-ブチレングリコールが含有されていた。また自験例においては同成分の接触皮膚炎の最低惹起濃度は0.1%aq.であった。1,3-ブチレングリコールを含有しない化粧品の使用により皮疹の再燃はない(出典・参照:多種の化粧品に含まれていた1,3-ブチレングリコールによる接触皮膚炎)。
 
ケース2
7カ月前、顔面の紅斑を主訴に受診。パッチテストで洗顔料とシャンプーが陽性となり、接触皮膚炎と診断された。普段化粧はせず、上記の香粧品を避け顔面には主に基礎化粧品のみを使用していた。
半年前より、顔面に乾燥荒れ肌治療薬のローション剤 S (さいきa)を1日2回、毎日使用していた。2週間前から顔面に痒みを伴う紅斑が出現し, 皮膚湿疹用薬のクリーム剤 C (キュアレアa) とクリーム剤E(エプールUFクリーム)を外用したところ、皮疹がさらに増悪したため受診した。顔面から前頸部にかけて強い痛痒 を伴う落屑性紅斑がみられ、上記3種の一般用医薬品のほか、顔面に使用していた基礎化粧品が接触源として疑われ, 上腕に as is で48時間閉鎖貼布した。International Contact Dermatitis Research Group (ICDRG) 基準に従って48時間後、72時間後、1週間後に判定し、72時間後に+以上を陽性とした結果、ローション剤 Sとクリーム剤 Cが陽性となり、クリーム剤 E と基礎化粧品はいずれも陰性であった。陽性を示した製品の主成分と代表的な添加物について検討したところ、1,3-ブチレングリコール(1,3- butylene glycol, 以下 BG) 5% aq が陽性、ヘパリン類似物質、アラントイン、パラベンの各成分はすべて陰性であった(出典・参照:複数の一般用医薬品に配合された1,3-ブチレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎の1例)。

育毛剤製品に含有の1,3-ブチレングリコールに反応したケースなども見られています。様々な製品に共通して含有される物質に反応していることがありますので、成分情報をご確認ください。

    {genreName}

      {topics}