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羽毛アレルゲンに経気道感作した後、鶏肉を摂食し症状出現したと考えられる例

2022.06.16

投稿者
クミタス

セキセイインコ、カナリア、オウムなどの鳥と同居しているなどで、羽毛、糞中のアレルゲンに感作し、その後摂食した鶏卵や鶏肉にアレルギー症状が出現する場合があり、Bird-egg syndrome (Bird-egg症候群)と称されています。
主要アレルゲンである血清アルブミン(Gal d 5)は上皮、羽毛、卵、肉、糞にも含まれており、卵白より卵黄に多く含まれています。卵黄にアレルギー症状が出現した方の例は以下でも掲載しておりますが(卵白も原因となる場合もあります)、
鶏卵アレルギー~ Bird-egg syndrome のケース
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3318
今回は鶏卵に反応を示しており、その後、鶏肉摂食後に症状出現し、Gal d 5に陽性を示していた児の例を掲載したいと思います。

即時型の鶏卵・牛乳アレルギーがあり、1歳から食物経口負荷試験を開始した10歳男児。卵黄つなぎ1個の負荷試験は陰性であったが、加熱全卵1/4 個負荷で陽性を繰り返した。7歳頃、急に鶏肉摂食時の口内掻痒感を訴え、特異的IgE(UA/mL)を検査したところ、鶏肉23.0、ガチョウ羽毛7.56、ニワトリ羽毛13.0、アヒル羽毛1.02であり、鶏肉アレルギーと診断された。
隣家でハトを飼育しているが接触はなく、家庭で羽毛布団を使用していたことから羽毛布団の使用を控えることとなった。9歳時のアレルゲンコンポーネント解析では、α-リベチン(Gal d 5)が3.01 UA/mL と陽性であった。
鶏卵摂取に関しては、自宅での卵黄つなぎ料理や加工品摂取を嫌がり、年1回の全卵負荷試験では、前回より逆に陽性症状が強くなっていった。鶏肉は口腔アレルギー症状のみのため、鶏肉料理を食べたいときに事前に抗アレルギー薬を内服している(出典・参照:佐久間弘子 増山郁 竹田悠佳 城田淳 嶋恵理子 高野峻也 鈴木奈緒子 公益財団法人星総合病院小児科 福島県総合療育センター小児科 α リベチン(Gal d 5)の交差反応による鶏卵・鶏肉アレルギーの小児例)。

鳥と同居はしてはいませんでしたが、羽毛布団の羽毛で経気道感作し、症状出現した可能性が考えられる例になります。Bird-egg syndrome (Bird-egg症候群)においては、鶏卵、鶏肉ともに症状出現する場合があるとみられていますが、また情報をアップデートしていきたいと思います。
羽毛による症状出現に関しては、以下でも掲載しておりますので、よろしければご参照ください。
鳥関連過敏性肺炎~羽毛布団が原因となることも
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3011

鶏卵抗原に経皮感作し卵アレルギーを発症した例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3345

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