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特定の大豆加工品による食物依存性運動誘発アナフィラキシー

2020.01.01

投稿者
クミタス

食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、食物を摂取・吸収するだけではアナフィラキシーが出現しないけれど、食物摂取・吸収と運動などの身体的負荷要因などが重なることでアナフィラキシーを生じます。
大豆加工品摂取後に食物依存性運動誘発アナフィラキシーをおこすことがありますが、アスピリン服用+大豆煮物摂取、豆乳のみ摂取、豆腐のみ摂取ではアナフィラキシーをおこさなくても、アスピリン服用+豆乳摂取や、豆腐摂取+運動で食物依存性運動誘発アナフィラキシーに至ることがあります。

給食摂取後の運動により4回のアナフィラキシー歴あり。共通食物は大豆で、大豆特異的IgE抗体値が陽性であったため、アスピリンと大豆煮物を摂取後に運動負荷試験をおこなったところ、陰性であった。他院での検査では豆乳200mlの負荷試験は陰性であったが、アスピリン内服30分後に豆乳200mlを負荷したところ、摂取中から咽頭そう痒感、吐き気、活気不良を認め、鼻汁出現し、負荷試験陽性と判断された(出典・参照:豆乳とアスピリン負荷により診断し得た大豆による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例)

16歳女児にて豆腐のみそ汁とご飯を摂取後自転車にて通学中、アナフィラキシーショックが出現。豆腐、豆乳、枝豆の皮膚プリックテストで陽性、豆乳摂取のみ、枝豆摂取のみでは陰性で、豆乳または枝豆を摂取+運動、アスピリン+豆乳または枝豆摂取、アスピリン+豆乳または枝豆摂取+運動で陰性、豆腐摂取のみで陰性、豆腐摂取+運動にて約15分後に蕁麻疹が出現し、IgE反応性抗原として、大豆のアレルゲンの1つで、豆乳ににがりを加えると凝集して豆腐になる高分子タンパクである7Sグロブリン(β コングリシニン)のサブユニットを検出した例も見られています(出典・参照:豆腐中の高分子蛋白による食物依存性運動誘発性アナフィラキシーショック(FDEIA)の1例)。

納豆のアレルゲンにおいては、粘りの主成分であるポリ-γ-グルタミン酸が重要なアレルゲンと考えられており、ポリ-γ-グルタミン酸のみがアレルゲンである場合は、大豆や豆腐、豆乳などが摂取可能であることがありますが、普段食べられている大豆加工品でも、特定の大豆加工品とアスピリン摂取や運動負荷との組み合わせにより、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こす場合があります。症状出現した場合には想起いただけると良いかもしれません。

納豆アレルギーについて~ポリガンマグルタミン酸
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1481

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