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口腔アレルギー症候群、全身症状下での症状のある果物の傾向一例

2018.08.21

投稿者
クミタス

果物のアレルギーにおいては、植物の花粉と関連するPFAS(花粉‐食物アレルギー症候群)の場合と、そうでない場合があり、また舌がピリピリする、のど・鼻腔が痒い、顔や唇、まぶた、のどの腫れといった口腔を中心とした症状(OAS:口腔アレルギー症候群)の場合と、呼吸困難など全身症状に至る場合もあります。複数アレルゲンに反応することなどでの混合タイプもありますが、口腔症状を中心とした症状のある方、全身症状のある方で反応する果物に傾向はあるのでしょうか?

果物にアレルギー反応のある日本全国の74人(年齢5~67歳、年齢中央値13歳)のうち、口腔アレルギー症候群39人、全身症状のある方35人を対象に症状のある果物を調べたところ、
口腔アレルギー症候群の方で症状のある果物は(複数該当あり)
リンゴ(80%)
メロン(54%)
キウイ(46%)
ナシ(41%)

全身症状のある方で症状のある果物は(複数該当あり)
リンゴ(57%)
サクランボ(47%)
キウイ(23%)
メロン(17%)
であり、全身症状を誘発するアレルゲンの1つで、PFAS(花粉‐食物アレルギー症候群)ではない果物・野菜アレルギーの重要なアレルゲンと見られるモモのGRPに反応するかを測定した20人のうち、陽性であったのは12人で、
モモのGRP陽性者で症状のある果物は(複数該当あり)
リンゴ 8人(67%)
キウイ 3人(25%)
メロン 3人(25%)
サクランボ 2人(17%)
と報告しています(出典・参照:モモアレルギー患者における、臨床像と合併する原因食品の関係)

花粉感作時期の低年齢化などにより、小児でのPFASは増えている傾向にありますが、花粉のアレルギー検査で(特異的IgE値)陽性の小児は、栃木県内の病院に受診した497人(女児192人、男児305人、平均年齢6.8歳)のうち、スギ76.5%、カモガヤ53.1%、ハンノキ48.9%、ブタクサ40.8%で、果物、野菜など植物性食物にアレルギー症状のある児は94人、誘発食物で頻度が高かったのはイチゴ(40%)、キウイ(35%)、モモ(32%)、リンゴ(30%)、メロン(23%)、柑橘類(16%)、トマト、スイカ(15%)、バナナ(14%)であった、との報告もあります(出典・参照:ハンノキ花粉感作と花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS)発症との関連性)。

花粉と関連する食物アレルギーにおいても全身症状が出現する場合があり、果物のタンパク質の中で反応するタンパク質によっても全身症状が出現しやすい場合もあります。
花粉と関連する食物アレルギーにおいては、地域によっても違いが見られる場合がありますが、他報告も加えていきたいと思います。

新たな果物・野菜アレルゲン~GRP
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2840

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