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好酸球性胃腸炎(EGE)とイレウス、腸閉塞

2024.05.31

投稿者
クミタス

好酸球性胃腸炎(EGE)は、 消化管に好酸球が異常集積することで慢性炎症が生じる疾患で、小児から成人において発症し吐き気、嘔吐、腹痛、腹部の張り、血便、腹水などの様々な消化器症状が一カ月以上続き、体重が減る場合もあります。
今回は好酸球性胃腸炎とイレウス、腸閉塞に関する報告ついて掲載します。
 
13歳男児。頻回の嘔吐を認め入院。腹部超音波検査および造影CT検査で十二指腸から空腸の壁肥厚、狭窄、抹梢血で好酸球増多(25%,2438/μL)を認め、上部消化管内視鏡検査で十二指腸粘膜に浮腫状肥厚があり、上下部消化管病理所見で十二指腸および結腸、直腸粘膜および間質に100個以上/HPFの好酸球浸潤を認めた。他の好酸球増加疾患を鑑別後、好酸球性胃腸炎(EGE)によるイレウスと診断された。輸液、絶飲食で嘔吐症状が改善。ヒスタミン H1 受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬の内服を開始し、6種食物除去で食事再開するも嘔気などの症状が再燃し、腹部レントゲン検査でニボーを認めた。プレドニゾロン(PSL)1 mg/kg を開始したところ、速やかに嘔気などの症状は改善し、末梢血好酸球数も減少、経口摂取可能となった。プレドニゾロン開始3か月後の病理所見で十二指腸粘膜および間質の好酸球浸潤は消失していた(川本美奈子 尾崎眞人 三輪友紀 熊谷千紗 金山朋子 門脇紗織 久保田一生 山本崇裕 川本典生 大西秀典 岐阜大学大学院医学系研究科小児科学 岐阜大学医学部附属病院アレルギーセンター 小腸イレウスを契機に診断された好酸球性胃腸炎の1例)。
 
35歳男性。急性発症の腹痛で受診。腹部CTで小腸壁の著明な肥厚による腸閉塞と診断しイレウス管を挿入し減圧治療を行ったが、腹痛の改善がないため絞扼性腸閉塞と診断し緊急手術を施行した。術中所見では回腸末端より約150 cmの回腸に全周性の腸管壁の肥厚と発赤を伴う約7 cmにわたる狭窄を認め小腸部分切除を行った。切除小腸の病理所見では粘膜下層から漿膜下層にかけて高度の好酸球を主体とする炎症性細胞の浸潤を認め、臨床経過と病理所見より好酸球性胃腸炎と診断された(出典・参照:蒔田勝見 緑川武正 村山章裕 今田敏夫 遠藤太嘉志 金子東炫 好酸球性胃腸炎による腸閉塞の1切除例)
 
好酸球性胃腸炎(EGE)は、急激なイレウス症状で発症する可能性があることを示唆する報告や、好酸球性胃腸炎による腸閉塞の1切除例なども見られています。以下も宜しければご参照ください。
好酸球性胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4147 
好酸球性胃腸炎と自己免疫疾患
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4329 
重症度に差がみられる好酸球性胃腸炎(EGE)と抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3773
好酸球性胃腸炎~経口免疫療法施行により判明したケース
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3787

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