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黄色ブドウ球菌とアトピー性皮膚炎について

2017.02.02

投稿者
クミタス


黄色ブドウ球菌は健康な皮膚にも見られることがありますが、黄色ブドウ球菌コロニーは湿潤性病変や顔面皮疹、炎症部位などに形成される傾向にあるとも言われています。
アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌との関連について、いままでも報告はなされており、アトピー性皮膚炎患者さんでも黄色ブドウ球菌コロニー陰性の方もいらっしゃいますが、アトピー性皮膚炎患者さんの病変部位、非病変部位に存在する黄色ブドウ球菌密度は皮膚疾患の無い方に比べると高く、アトピー性皮膚炎患者さんの非病変部位より病変部位でより高値であった(Tauber M, et al. Staphylococcus aureus density on lesional and nonlesional skin is strongly associated with disease severity in atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:1272-4.e3.)など、皮膚病変に存在する黄色ブドウ球菌数は高値になり、皮膚の状態が良くなると黄色ブドウ球菌数が減るとも見られています。

アトピー性皮膚炎発症前の皮膚微生物に関する研究(Skin microbiome before development of atopic dermatitis: Early colonization with commensal staphylococci at 2 months is associated with a lower risk of atopic dermatitis at 1 year.)では、50人を対象に生後2日、2か月、6か月時に肘窩(肘の裏の内側)、膝窩(ひざの裏の内側)、鼻先、頬の皮膚に存在する菌を採取し、生後12か月までにアトピー性皮膚炎を発症している乳児10人と生後12か月までにアトピー性皮膚炎を発症していない乳児10人を比較したところ、
アトピー性皮膚炎発症群において発症前に黄色ブドウ球菌コロニー、黄色ブドウ球菌が有意に多く見られるということはなかった、
また表皮に存在する菌は1歳までの間にも種類が変化し、そして表皮に存在する菌の中にはアトピー性皮膚炎の発症を抑制するはたらきを示すものがある可能性を示唆しており、皮膚病変程度による違い、抗生物質の使用有無、帝王切開での出生などの影響可能性のある条件下でのさらなる多くの対象数での研究が待たれるところでもあります。

アトピー性皮膚炎発症後の皮膚における黄色ブドウ球菌の関与については今までも言われているところではありますが、アトピー性皮膚炎発症に黄色ブドウ球菌は関与するというよりも、皮膚に傷や病変がある場合に増殖するためアトピー性皮膚炎の方の皮膚に多く存在が見られる傾向があり、また黄色ブドウ球菌以外の表皮に存在する微生物が皮膚の状態を健康に保つ(もしくは悪化を抑制する)可能性がある、との他見解や他見解についても、またお送りしたいと思います。

Skin microbiome before development of atopic dermatitis: Early colonization with commensal staphylococci at 2 months is associated with a lower risk of atopic dermatitis at 1 year
https://ac.els-cdn.com/S0091674916308934/1-s2.0-S0091674916308934-main.pdf?_tid=987260c0-e9ed-11e6-9f8d-00000aab0f01&acdnat=1486111915_2882b5c19e16b42535d145c0730feac8
Staphylococcus aureus density on lesional and nonlesional skin is strongly associated with disease severity in atopic dermatitis
Transplantation of human skin microbiota in models of atopic dermatitis

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