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アレルギー症状を誘発することもある浅瀬にいる生き物~前編

2016.07.24

投稿者
クミタス

海の浅瀬や岩場などで、水遊びをしているうちに、何かに刺されてしまって、痛みや腫れが出たということがあります。
初回は症状が軽症で終わることもありますが、特に毒の主成分がタンパク質でそのタンパク質に反応する場合、2回目以降の刺傷時に、アレルギー症状出現、アナフィラキシーに至ることがあります。
対象生物によっては刺傷した部位に酢をかける、真水で洗うことが逆効果になることもありますので、常に有効ではないことを留意のうえ、何かに刺されたようだけれど、何に刺されたかわからず、喉閉塞、めまい、意識障害などが起こっていれば速やかに受診しましょう。

クラゲ

クラゲ、イソギンチャク、サンゴなどは刺胞動物に属し、人が触れるなどで袋状の刺胞が刺激を受けると、刺胞に存在する刺糸と刺針が飛び出し、触れた相手を刺し、刺糸を通って毒が注入することで、痛み、痒み、腫れといった症状を感じることがあります。
この毒はタンパク質あるいはペプチドが主であるとも考えられており、アレルギー反応による症状が出現することがあります。

刺胞のないクラゲ、クラゲの中でも刺されても症状が強くない種類もありますが、全国の浅瀬でもよく見られるアンドンクラゲ、本州以南でみられるハブクラゲ以外にも毒性の強い種類はあります。

・カツオノエボシ
本州~南西諸島で見られ、一見クラゲに見えない見た目ですが、浮袋と長いひも状の触手の部分から成るクラゲになります。海辺に打ち上げられて干上がっているものもありますが、触手が切り離されていたり、干からびているように見えても、手で触れて刺激を与えると、刺されることがあります。

症状:刺されると痛み、痒み、腫れ、熱感が継続したり、水疱、全身の蕁麻疹、患部の皮膚の壊死、吐気、嘔吐、筋肉痛、発熱、寒気、呼吸困難などショック症状を起こすことがあり致死性もあります。 

刺されないようにする対応
刺激しないように、触手には触わったり、踏んだりないようにしましょう。

刺された場合の対応
酢、水をかけると刺胞の発射を促すため、海水で刺胞を洗い流し、刺胞が抜けた後で、氷や冷水で冷やします。

刺された部分はこすらないようにし、全身症状がある場合、痛みが激しかったり、水泡ができる場合、痛みやかゆみが治まらない場合は受診しましょう。

・イラモ
紀伊半島以南で生息し、ある時期はサンゴ礁に固着したり、岩に生えるようにつき、海藻、植物のようにも見える形で、最初は1個5mmほどの個体から増殖し、10㎝ほどの群体で鞘をもち生息するイラモですが、エフェラクラゲ科のクラゲの一種になり、刺胞毒を有します。日光がよくあたる岩で見られるため、岩場遊びで触れやすい生物でもありますが、直接触れなくても岩についたイラモが海水に当たるなど刺激があると、刺胞が流れていき、刺胞毒に接触することがあります。海中のサンゴに固着したイラモに触れていないのに、発射された刺胞が刺さることもあります。
イラモはクラゲとして浮遊する時期もあり、その際に刺されることもありますが、大きさが直径3mm前後ほどからと小さく、刺傷時は気付かないかもしれません。

症状:痛み、痺れ、腫れ、熱感、水疱、痒み、また頭痛、吐気が出現することがあります。

刺された場合の対応
皮膚症状は長く続くことがありますので、全身症状や強い症状、症状が長く続く場合は受診しましょう。

クラゲによる反応について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/824
も参照ください。

イソギンチャク

イソギンチャクはクラゲと同じ刺胞動物で、刺胞に人が触れると刺激され刺されることがあります。

・ハナブサイソギンチャク(写真)
南西諸島以南で生息確認されています。刺激を与えると全体が海底に一気に潜ったりします。

・ウンバチイソギンチャク
見かける頻度はそれほど多くはありませんが沖縄で生息し、イソギンチャクの中でも毒性が高いと言われています。

症状:刺されると痛み、痒み、腫れ、熱感が継続したり、水疱、全身の蕁麻疹、患部の皮膚の壊死、吐気、嘔吐、筋肉痛、発熱、寒気、呼吸困難などショック症状を起こすことがあり致死性もあります。 

刺されないようにする対応
浅瀬、潮の状態によっては水深の浅い場所にも存在することがありますので、素足で踏まないように、手で触らないようにします。

刺された場合の対応
・ハナブサイソギンチャク
真水をかけると刺胞の発射を促すため使用せず、海水で刺胞を洗い流し、刺胞が抜けた後で、氷や冷水で冷やす。
・ウンバチイソギンチャク、フサウンバチイソギンチャク
酢をかけると刺胞の発射を促進する恐れがあるため使用せず、海水で刺胞を洗い流し、刺胞が抜けた後で、氷や冷水で冷やす。

刺された部分はこすらないようにし、全身症状がある場合、痛みが激しかったり、水泡ができる場合、痛みやかゆみが治まらない場合は受診しましょう。

上記は毒性の強いイソギンチャクですが、ほかのイソギンチャクにも刺胞があり、刺されると痛み、痒み、腫れが起こることがありますので、触れて刺激しないようにしましょう。

サンゴ

サンゴもクラゲ、イソギンチャクと同じ刺胞動物で刺胞毒はありますが、人では症状を感じないか、それほど強くないことも多いのですが、サンゴ様状のものなど、中には人への毒性の強いものもあります。

イタアナサンゴモドキ、ヤツデアナサンゴモドキ(写真)などは、ヒドラ虫類の生物ですが、見た目はサンゴに似ており、奄美大島以南、沖縄諸島での被害報告があります。

症状:痛み、熱感、痒み、炎症、頭痛、吐気、発熱。腎臓障害など。ま毒の主要成分はタンパク質との報告もあり、刺傷後数日してから新たな症状が出現したケースの報告もあります。

刺されないようにする対応

直に触らなくてもアナサンゴモドキから放出され浮遊するヒドロ虫に刺されることもありますので、遊ぶ海辺にアナサンゴモドキが生息しているか地元の方などに確認できると良いでしょう。
 
刺された場合の対応
水は刺胞の発射を促すため、海水で刺胞を洗い流します。
症状が強い場合、全身症状がある場合は受診しましょう。

オニヒトデ

ヒトデはウニやナマコと同じ棘皮動物で、ヒトデの中で毒性のある種類があり、刺毒を持つのがオニヒトデになります。
オニヒトデの色は様々で、生きたサンゴを食べ、いわゆる星型のヒトデとは見た目が異なり、棘に毒があります。 

症状:痛み、腫れ、痒み、熱感、しびれ、麻痺、リンパ腺の腫れ、発熱、患部の壊死、嘔吐、めまい、意識障害が起こることがあり、2012年に2度目に刺傷した成人女性での死亡例もあります。 

刺されないようにする対応
サンゴの生息域、浅瀬で見られ、岩の陰に隠れていることがあります。棘は素手、素足でなくても刺さるため、サンゴ生息域で見えないところに手を伸ばさないようにしたり、特に1度刺されている方は見えているオニヒトデを駆除しようとせず近づかないようにするのが望ましいでしょう。

刺された場合の対応
落ち着いて陸に上がり、針が刺さっていなければリムーバーで毒を吸引するか、刺された部位を圧迫し毒を体外に押し出すようにします。針が刺さっている場合、針を抜きだせるとよいですが、折れやすいため、ピンセットなどでつまみ出せる場合は抜くようにし、毒を対外から抜くようにします。オニヒトデの毒はタンパク質が主と考えられており、60℃付近で失活するとも言われています。やけどしない程度に高温のお湯や熱くなった石、ボンネットなどで患部を温め、受診し体内に残っている棘をぬく対処もできるのが望ましいでしょう。

ウニ

棘皮動物のウニには棘、叉棘に毒をもつ種類があります。

・ガンガゼ
一般的なウニよりも長い棘を持ち、関東以南で生息し浅瀬、岩場やサンゴの陰に隠れています。身は食用にもなりますが、棘は刺さりやすく棘の先端部分に毒線があると言われています。
 

・ラッパウニ
房総半島、相模湾以南に生息し、見た目が一般的なウニと異なり、ラッパの口のように開いた部分が叉棘で、触れられたりして刺激を感じると閉じて噛みつくように触れた部位に叉棘が残ります。叉棘の上など表面に貝殻やサンゴなどを着けることがあり、ラッパウニが存在していることに気付かないことがあります。触れて症状が出ない場合もあります。

症状
・ガンガゼ
刺された部分は激痛を伴い、周囲が腫れ、組織の損傷を起こします。初回刺傷時の症状はそれほど強くないこともありますが、2回目以降など重症の場合は麻痺や呼吸困難などが起こる場合があります。
・ラッパウニ
まったく症状の無い場合、腫れと痛みだけの方の場合もありますが、重症では全身麻痺、呼吸停止に至ることがあります。生息域や餌、人によって症状が違うのではとの意見があります。

刺されないようにする対応
踏んだり手をついたり触れないようにします。

刺された場合の対応
・ガンガゼ
長い棘はもろくて折れやすいため、抜ける場合は抜き、海水で洗います。ガンガゼの毒はタンパク質が主と考えられており、60℃付近で失活するとも言われています。やけどしない程度に高温のお湯や熱くなった石、ボンネットなどで患部を温められると良いでしょう。体内に残っている棘がもとで感染症を起こす場合がありますので受診し棘をぬく対処もできるのが望ましいでしょう。
・ラッパウニ
軽症のこともありますが、重症の場合、死に至ることもありますので、噛まれた場合は落ち着いて陸に上がります。棘を素手で触れないように取り除き、傷口を水で洗ったらやけどしない程度に高温のお湯や熱くなった石、ボンネットなどで患部を温め、受診し体内に残っている棘をぬく対処もできるのが望ましいでしょう。
呼吸状態、脈拍、意識状態に異変がある場合は、必要に応じ人工呼吸、心臓マッサージを行い、速やかに受診します。

もう少し深い水深10~20mほどのサンゴ礁域、岩礁域では、相模湾以南に生息するイイジマフクロウニにも毒性があり、刺されると激しい痛み、腫れから、重症では死亡例もあります。刺された場合には同様の対応をおこないます。 

海中に入らないで潮だまり(タイドプール)で遊んでいても、毒性をもつ生き物と遭遇することがあります。
海の生き物にとっては防御機能でもありますので、共存できるように楽しみたいですね。

後編では上記以外の生物についてお送りします。

アレルギー症状を誘発することもある浅瀬にいる生き物~後編
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1591

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