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乳酸菌、ビフィズス菌とアレルギー

2016.02.08

投稿者
クミタス


乳酸菌、ビフィズス菌といったプロバイオティクスが、花粉症やアトピー性皮膚炎といったアレルギー症状の緩和に有効なのでは、との研究がなされています。実際のところ「現時点では、プロバイオティクスは,アトピー性皮膚炎の症状改善に推奨するだけの明確かつ十分なエビデンスはあるとは言いがたい(出典:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016 年版)。」「米国アレルギー学会とWAOガイドラインからは乳児湿疹に対してわずかにリスクを減じるものの、他の疾患には予防効果を示す十分なエビデンスはないと報告された。現在までプロバイオティクスによる感作の減少や食物アレルギーの予防効果は認められておらず、食物アレルギー予防の手法としては推奨できない(出典:食物アレルギー診療ガイドライン2016)」と記されており、今後の検証が待たれるところです。

アレルギー症状のある方の腸内環境における傾向については、以下傾向も見られるとの意見もあります。

・卵、乳にアレルギーのある子どもの腸内細菌では、バクテロイデス門が少ない傾向にある
「Gut microbiota and allergic disease in children.2016」

・長期的な成人の喘息患者においてはビフィズス菌の菌数が低い可能性がある
「Allergic Patients with Long-Term Asthma Display Low Levels of Bifidobacterium adolescentis.2016」

食物アレルギーにおいてはアレルゲンにより分解酵素が異なり、また個人差があることなどもあり、一様にどういった種、菌株の乳酸菌、ビフィズスがどの程度有効であるのかを示すことが可能かは不明な面もありますが、健康的な腸内環境維持においては、以下報告もあります。

食事で腸内環境を改善するには


・食物繊維が多い食事(高繊維食)の摂取により、腸内細菌の活動が高まり、代謝産物のひとつである短鎖脂肪酸の酪酸の生産量が増加し、この酪酸が制御性T細胞への分化誘導に重要な遺伝子の発現を高めており、大腸炎を抑制する可能性がある。
「腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ~炎症性腸疾患の病態解明や新たな治療法の開発に期待~」

・高繊維食により腸内でバクテロイデス門が増加し、食物繊維が分解されて短鎖脂肪酸が増加すると、脂肪酸受容体であるGPR41が活性化され、炎症部位での好酸球が減少し、炎症が軽減する。マウスでは低繊維食ではアレルギー性気道疾患が増加した。
「Gut microbiota metabolism of dietary fiber influences allergic airway disease and hematopoiesis 2014」

・消化管に常在するクロストリジウム属細菌が、免疫抑制に必須の細胞である制御性T細胞の産生を誘導し、消化管の炎症を抑制する可能性がある。
「Induction of colonic regulatory T cells by indigenous Clostridium species」

・クロストリジウム属細菌の1つクロストリジウム・ブチリカム MIYAIRI588株(宮入菌)の主な菌体成分であるペプチドグリカンが腸管の樹状細胞を刺激した結果、制御性T細胞の産生を誘導し炎症を抑制する可能性がある。
「Smad2 and Smad3 Inversely Regulate TGF-β Autoinduction in Clostridium butyricum -Activated Dendritic Cells」

高繊維食が炎症反応の緩和や予防の一助になる可能性があるとも言え、以下高繊維食を食事に取り入れることは、腸の機能を高め得るかもしれません。

水溶性食物繊維を多く含む食品
リンゴ、バナナ、人参、キャベツ、カリフラワー、柑橘類、いちごなど

中でも水溶性食物繊維を含む食品が酪酸生成、制御性T細胞への誘導につながるとみられています。加えバランスを保つ上では、水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2で摂取できることが望ましいとも言われています。

また、以下はセリアック病に関する研究ですが、ビフィズス菌、乳酸菌の中には、小麦のアレルゲンでもあるグリアジンの分解、細胞透過を抑制するはたらきがあるとの示唆もあります。

・ビフィドバクテリウム・ラクティスは、小麦のタンパク質の1つであるグリアジンが上皮細胞を透過する誘導性を抑制する
「Live probiotic Bifidobacterium lactis bacteria inhibit the toxic effects induced by wheat gliadin in epithelial cell culture」

・ラクトバチルス アリメンタリウス 15M、ラクトバチルス ブレビス 14G、ラクトバチルス サンフランシスエンシス 7A、ラクトバチルス ヒルガルディ 51Bは、グリアジン画分の加水分解を示した。
「Di Cagno、et al.; 2002、Appl. Environ. Microbiol.、68:623-33」


また、腸内環境改善を助ける働きのプロバイオティクスの増殖を刺激する、プレバイオティクスがあります。
プレバイオティクスの多くは難消化性オリゴ糖であり、消化管上部で分解・吸収されずに、大腸に共生する有益な細菌の栄養源となり増殖を促進し、大腸の腸内フローラを健康的なバランスに改善し維持するはたらきがあると考えられています。
代表的なものに、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌリン、ラフィノースなどがあり、これらは食品中に含まれ、比較的多く含む食品として、以下が挙げられます。

・フラクトオリゴ糖を比較的多く含む食品
ヤーコン、ごぼう、大豆、チコリ、たまねぎ、ニンニク、ネギ、アスパラガス、バナナ、はちみつ、トマト

・ガラクトオリゴ糖を比較的多く含む食品
牛乳、乳製品、キャベツや大豆、たまねぎ、ごぼう、ニンニク、じゃがいも、とうもろこし、バナナ
ガラクトオリゴ糖として製品になっているものは乳由来のものが多く流通しています。
消化管内でビフィズス菌を増加させるはたらきがあるとみられています。

・イヌリンを比較的多く含む食品
菊芋、アーティチョーク、チコリ、小麦、オーツ麦、にら、たまねぎ
イヌリンを含む食品を摂取すると、フラクトオリゴ糖に分解されます。

・ラフィノース
てん菜、アスパラガス、キャベツ

これらは難消化性オリゴ糖であり、難消化性オリゴ糖はカルシウム、マグネシウムの吸収を高める作用もあるとみられています。食事からの摂取も意識できるとよいでしょう。

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