1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

人気記事

人工甘味料について

2015.06.17

投稿者
クミタス


日本で新発売された「ペプシストロングゼロ」は、従来品のダイエットペプシでも使用された人工甘味料である、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロースが使用されています。

ペプシストロングゼロ
原材料:カラメル色素、香料、酸味料、クエン酸K、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、ステビア、スクラロース)、カフェイン。

従来品のダイエットペプシ
原材料:カラメル色素、酸味料、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース)、保存料(安息香酸Na)、カフェイン、香料。

一方、北米では2015年8月出荷のダイエットペプシから、アスパルテーム不使用のダイエットペプシに切り替わると言われてます。アセスルファムカリウム、スクラロースは引き続き使用されますが、パッケージには「NOW ASPARTAME FREE」と表記され、消費者へのメッセージとなっています。
 

酵母(イースト)の栄養源になりやすい砂糖に比べ砂糖以外の甘味料では酵母の繁殖による食品の品質劣化を防ぎ、保存性を高められるという利点があると言われています。
砂糖の代替としての甘味料は、糖尿病患者さんの血糖値コントロール、2型糖尿病の有病率に期待できるもの、肥満対策や虫歯などの予防(キシリトールについて)として、存在意義があるとされているものでもあります。

甘味料は糖質系甘味料と非糖質系甘味料があり、非糖質系甘味料の中では、天然に存在する甘味料を元々ベースにしているものと、人工的に合成された人工甘味料があります。人工甘味料としては、サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム(チクロ)、ズルチン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースが挙げられます。
このうちズルチンとチクロは発がん性から使用禁止になっており、サッカリンナトリウムは、膀胱がんのプロモーターとなるとの報告がありつつも食品に使用されており、逆に抗がん剤を強化する活用ができる可能性を挙げる声もあります。
サッカリンは水に溶けないためガムなど限局した用途で食品に使用されています。
アスパルテームについては、人工甘味料の中でも特に様々なレポートが挙がっているものでもありますが、効果、リスクとも疑問を唱える声も多く論争は続いています。

既に新たな人工甘味料が


アスパルテーム(サール製薬開発、味の素 製法特許、商品名「パルスイート」の主成分)は、メタノール、アスパラギン酸、フェニルアラニンから成る人工甘味料です。アミノ酸主体であることで、体内ではアミノ酸代謝経路に従って代謝されるため血糖値への影響も少ない、というのが理論上の見解ですが、実際に体内で分解された際にどうなのか、については異論もあります。
またアミノ酸主体の甘味料であるため、加熱すると甘味が減少するという点、フェニルケトン尿症の人はフェニルアラニンを分解できないため積極摂取は望ましくない面もあり、そのため、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物と表記することが義務付けられています。

アスパルテームに次ぐ新たな人工甘味料として「ネオテーム」(モンサント社開発、大日本住友製薬およびアメリカのニュートラスイート社申請、アメリカ ファイザー社特許保有。商品名「ミラスィー」の主成分。)が2002年に認可され、既に日本国内でもネオテームを使用されている商品が登場しています。
ネオテームは、アスパルテームにネオヘキシル基(3-ジメチルブチル)を加え、フェニルアラニンの生成を抑制していることで、フェニルケトン尿症の方にも許容し得るものとし、L-フェニルアラニン化合物との表記が免除されています。
また、熱安定性、発酵耐性を高められているとされており、甘さの強度はアスパルテームの50倍とされています。

ネオテームの L-フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起について 
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1208-18-3-4.pdf

国内の商品においては、弊社のアレルギーチェッカーに登録の商品数68,000商品のうち113商品で確認でき、野菜果汁飲料、タブレット(口臭ケア含む)・キャンディ、米菓、スナック菓子、あん、コーヒー飲料、カレーレトルト、スープ春雨など幅広く使用されています。

そして、アスパルテームを基とした「アドバンテーム」もこれから利用されるようになります。

味の素/新甘味料「アドバンテーム」、欧州と米国で認可取得
https://makernews.biz/201405272805/

甘味とは


甘味受容体が反応することで甘味を感じます。人工甘味料も甘味受容体に作用するように合成された物質でもありますが、ショ糖には甘味を感じるけれど、アスパルテームに甘味を感じない動物も存在します。
甘味受容体が反応する化学物質を今後も人工的に作り出し、甘味料として利用されるようになるのでしょうが、現在では、合成された甘味料は低コスト、低量で砂糖(ショ糖)と同等以上の甘さをデザインできることが、大きなメリットとも言えるのかもしれません。

甘味料においても、ADI(人が一生涯にわたって毎日摂取しても全く影響がない量)は設定されています。

JECFA ADI は以下のとおりです。

アスパルテーム 40mg/kg 体重/日
⇒体重50kgの方で2000mgまで/1日

アセスルファムカリウム 15mg/kg 体重/日
⇒体重50kgの方で750mgまで/1日

スクラロース  15mg/kg 体重/日
⇒体重50kgの方で750mgまで/1日

ただし、上記量内で健康被害がないと裏付けるヒトでのデータがあるかは把握できておりません。

今では人工甘味料が含まれていない炭酸飲料やキャンディなどを探すことの方が困難なくらい、様々な商品に含まれていますが、熱心にダイエットをする人を含め、意識下・無意識下で、どの程度摂取しているか、一度把握してみるのも良いかもしれません。

    {genreName}

      {topics}