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対応ミルクにおける栄養状況

2015.05.01

投稿者
クミタス

対応ミルクにおける栄養状況

乳アレルギー対応ミルク、乳糖不耐症対応ミルク、MCTミルク、ケトンフォーミュラ、先天性代謝異常症用ミルクにおいては、非対応ミルクと比較すると、ビオチン、カルニチン、セレン、ヨウ素が不足しているとの報告があります。

加え、エンシュア リキッド、エレンタール、ラコールといった栄養剤においては、カルニチン・セレン・ヨウ素、カルニチン・セレン、カルニチン・ヨウ素の含有量が少ないとの報告もあります。

各栄養について


ビオチン

ビタミンB群の中に分類されるビタミンで、皮膚や粘膜の健康維持を促す働きについて古くから言われていますが、ヒスチジンを体外へと排出するはたらきもあると言われています。
不足することで、皮膚障害、筋肉痛、結膜炎、脱毛、ケト乳酸アシドーシス、有機酸尿、けいれん、知覚過敏、うつ症状誘発リスクがあるとも言われています。

乳幼児はもともとビオチンの産生や吸収が低いのですが、対応ミルクにはビオチン含有量が少なくなるかほとんど含まれないため、基礎疾患上、摂取する食品からの吸収が難しい場合で、まだ相談されていない方は、医師に相談されるのが良いかと思います。

尚、妊娠中は母体の血中ビオチン量が低くなるとの報告があり、子が口蓋裂や短肢症であった場合、母親の妊娠中のビオチン不足が関与している可能性があります。

ただ、過剰摂取すると、哺乳動物においての話ではありますが、胎盤や卵巣の委縮がおこる可能性があるとの報告もあります。ヒトに置き換えるとサプリメントでの過剰摂取の場合であり得るかもしれない話であり、人間で起こるかどうかのテストが成されてはいませんが、目安量範囲内での摂取が望ましいかと思います。

0~5か月 4μg/日
6~11か月 10μg/日
1~5歳 20μg/日
6~7歳 25μg/日
8~9歳 30μg/日
10~11歳 35μg/日
12歳以降 50μg/日


カルニチン

ビタミン様物質で、脂質代謝のはたらきがあります。
母乳や牛乳、赤肉、牡蠣などから摂取できますが、一般的な粉ミルクにはもともと含有量が少ないうえに、対応ミルクには含有量が少なくなるかほとんど含まれないため、欧米では乳アレルギー用ミルクに、ビオチンもですがカルニチンの添加が認められています。
カルニチンが不足すると、低血糖、ライ様症候群(CPT-I欠損症)、乳児期において筋緊張低下、呼吸障害、不整脈、心肥大、成人期に発作性ミオグロビン尿症リスク(CPT-Ⅱ欠損症)等が示唆されています。

動物性たん白質を摂取できている場合は、不足の心配の必要が低い栄養素ですが、乳児期に対応ミルクを摂取し不調が見られる場合は、医師に相談されるのが良いかと思います。

セレン

藻類、魚介類、肉類、卵黄など広く含まれる栄養成分で、偏りない食生活であれば不足の心配の必要はありませんが、対応ミルク、経腸栄養剤、静脈栄養でセレン補充がなされない場合に、不足しがちな栄養素です。

不足状態が続くと、抗酸化物質が不足し、上下肢の筋肉痛・しびれ、筋力低下、皮膚の乾燥、視力低下、爪の白色変化、心筋障害などを招く恐れがあります。
乳児期に対応ミルクを摂取している場合は、セレン不足も意識しておきたいところです。
尚、セレンはサプリメントなどで過剰摂取をすると、吐き気、嘔吐、下痢、抜け毛、爪の異常、発疹、疲労感、神経障害などがおこることがあります。


ヨウ素

ヨウ素も、対応ミルクや経腸栄養剤の使用などで、欠乏しがちな栄養素です。
ヨウ素は体内吸収率の高い栄養素で、その8割が甲状腺組織に存在するため、欠乏の場合も過剰の場合も、甲状腺に障害をもたらしますが、子供にとっては成長ホルモンでもあり、成長期に不足をすると発育が遅くなることがあります。また、意欲や思考能力、労働生産性の低下、低IQ、低身長への関与も示唆されています。

これらは胎児がいる母体でのヨウ素欠乏からリスクが高まるため、妊娠時から過剰にならない程度で摂取できると望ましいです。妊娠時の不足で、死産、自然流産、出生前死亡および乳児死亡のリスクも高くなるとも言われています。

ヨウ素は海藻類、魚、大豆、卵、肉、バターなど広く含まれ、食事ができれば不足の心配はなく、日本の食卓においては過剰気味ではありますが、対応ミルクや経腸栄養剤のみでの栄養摂取時には、不足を意識したいところです。

慢性的に下痢をおこす場合にも、上記栄養素が不足することがあります。
対応ミルク、栄養剤のみを摂取している場合、下痢が頻発していて不調が見られる場合は、医療機関にて栄養状態について相談されるとよいかと思います。

特殊ミルクと記述するのが一般的ですが、あえて対応ミルクと記述させて頂きました。
参考:メルクマニュアルほか

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