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じゃがいもによる反応例 ジャガイモ

2022.11.03

投稿者
クミタス

じゃがいもは、ラテックス-フルーツ症候群の原因食物の1つでもあり、またシラカンバ花粉、ハンノキ花粉、イネ科植物花粉との交差反応の可能性も考えられています。

じゃがいも(Solanum tuberosum)のアレルゲンとしては、今までに以下などが挙げられています。
・Sola t 1  43kDa
・Sola t 2  21 kDa
・Sola t 3    21 kDa 
・Sola t 4.   16 kDa

小児期においてじゃがいもにアレルギー症状の既往がある場合でも、重篤な副反応に至らずに食物経口負荷試験を実施でき得る可能性、比較的早期に摂食可能となる可能性がある示唆もなされていますが(参照:ジャガイモ負荷試験を行った小児40例の検討)、今回はじゃがいもによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの報告例を掲載します。

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症の既往歴のある9歳男児。おやつ摂取後に野球をし入浴後、腹痛、吐き気、蕁麻疹、喘鳴、口唇チアノーゼが出現し救急搬送され、アナフィラキシーの診断でアドレナリン投与で軽快。
4ヶ月後に再度おやつ摂取後に野球をしてアナフィラキシーを発症。共通してポテト菓子の摂取歴があり、皮膚プリックテストで生じゃがいもに陽性、2D免疫ブロットを施行し複数タンパク質に本症例特異的なIgE抗体を認め、じゃがいもによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断された。
運動前のじゃがいも摂取を制限し、アナフィラキシーの再燃なく経過している(出典・参照:池田聡子 清水真理子 西川有希 川邊智史 佐藤奈由 中村政志 松永佳世子 川口千晴 大和高田市立病院小児科 ホーユー総合研究所 藤田医科大学 ジャガイモによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例)。

乳幼児期のじゃがいもアレルギーにおいては、比較的耐性獲得しやすいとの示唆もなされていますが、小児期、成人におけるじゃがいもによる反応例について今後も掲載していきたいと思います。

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