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蚊に刺された後で

2022.06.01

投稿者
クミタス

蚊に刺されると、蚊の唾液に含まれる血液凝固抑制成分などの複数の生体物質による直接的な作用や、唾液中のタンパク質によるアレルギー反応により、膨疹が出現した後にかゆみを伴う皮膚の硬化がみられます。
中には蚊刺過敏症((重症)蚊アレルギー)を示す場合があり、刺された部位に水疱、血疱、潰瘍ができたり、発熱、肝機能障害、リンパ節が腫れるなどの全身症状を生じる場合もあります。蚊刺過敏症((重症)蚊アレルギー)においては、一因として体内で持続感染状態で存在するEBウイルスが再活性化し生じる可能性が考えられています。
蚊刺過敏症((重症)蚊アレルギー)ではEBウイルスが潜伏感染したNK細胞が増加しており、蚊のアレルゲンで刺激され活性化したヘルパーT細胞から、何らかの刺激がNK細胞に入り、NK細胞中に潜んでいたEBウイルスが再度活性化し、増殖したウイルスが血液中に流れて全身症状を生じる、というメカニズムの可能性です。
このヘルパーT細胞は、ヤブカの一種で本州(青森県以南)から四国、九州、沖縄まで広く分布しているヒトスジシマカの唾液腺抽出物に強く反応するとの示唆がありますが、蚊に刺された後、発熱、リンパ節が腫れる、大きな水疱ができる、潰瘍(深い傷のようにへこむ)、傷痕が1か月以上消えないといった場合は、蚊刺過敏症((重症)蚊アレルギー)の場合もあり、全身症状がある場合は受診できるのが望ましいでしょう。


出典・参照:EBウイルス関連皮膚T/NKリンパ球増殖症
蚊刺過敏症とEBウイルス感染症 ほか

家庭用殺虫剤による反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3676

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