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基剤による症状出現の例から

2021.12.29

投稿者
クミタス

皮膚外用剤には有効成分以外に、有効成分を溶解し、長く皮膚にとどめる目的で基剤が含まれており、外用剤の9割ほどを占めています。水性、油性の基剤があり、白色ワセリンは油性成分になり、ほかにラノリン、ステアリルアルコール、セタノールも挙げられます。
ラノリン、ラノリンアルコールにアレルギー反応を示す場合がありますが、
ラノリン、ラノリンアルコールによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3364
他の基剤成分による症状出現についても掲載したいと思います。

46歳男性。下肢の光脱毛の施術後、ボディーミルク(A社)と保湿ジェル(B社)を外用し、下肢に皮疹が出現した。近医皮膚科でナジフロキサシンクリーム、ステロイド外用薬で加療されたが、皮疹が拡大し当科を紹介受診した。当科初診時、両下肢と両側腹部に浸潤を触れる境界明瞭な浮腫性紅斑が認められた。パッチテストからナジフロキサシンクリームの基剤成分であるステアリルアルコール、セタノール、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ボディーミルク(A社)の基剤成分であるステアリルアルコールによる接触皮膚炎症候群と診断された(出典・参照:乾友梨香 米澤栄里 窪田泰子 加藤敦子 大阪回生病院皮膚科 外用薬の基剤成分による接触皮膚炎症候群の1例)。

有効成分以外に基剤に反応し症状出現する場合があります。基剤成分は薬剤や化粧品など様々な製品に使用されていたり、1つの製品中に精製ラノリン、流動パラフィン、ステアリルアルコールなど複数成分が含有されていることもあります。何らかの症状が出現した場合は、添加剤、添加物の記載も含め確認できるのが望ましいでしょう。

基剤によるアレルギーについては、水溶性のマクロゴールによるアレルギーについても掲載しております。以下もご参照ください。
マクロゴールによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3330

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