0~6歳で医師により食物アレルギーと診断され、2010年9月~2011年3月に小児科アレルギー外来を有する病院(8施設)、診療所(11施設)、アレルギー専門(2施設)の小児科医師を通じて回収した調査によると、
食物アレルギー児の除去品目(重複回答)は、鶏卵が255名(91.14%)、牛乳153名(54.64%)、小麦78名(27.94%)、ピーナッツ32名(11.4%)、甲殻類26名(9.3%)、大豆23名(8.2%),魚19名(6.8%)、そば13名(4.64%)、ゴマ10名(3.64%)、イカ・タコ9名(3.24%)、肉類9名(3.24%)、果物類9名(3.24%)、米5名(1.8%)、その他6名(2.1%)と、食物アレルギーと診断された児の中でイカ・タコの除去をおこなっている児は3.24%との結果も見られています。
タコのアレルゲンの1つに、貝類、甲殻類のエビ、カニのアレルゲンの1つトロポミオシンが挙げられますが、イカ、タコなどの頭足類と甲殻類のトロポミオシンのアミノ酸配列の相同性は57~76%ほど、エビアレルギー患者さんでイカにアレルギー症状が出現した患者さんは17.5%、タコにアレルギー症状が出現した患者さんは20.3%、イカ・タコ間のトロポミオシンのアミノ酸配列の相同性は92~96%、イカ・タコと貝類との相同性は 70~82%との報告もあります。
イカによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2606
タコを摂食して72時間後(エビ摂食では24時間後)に蕁麻疹が出現した女児の例も見られていますが、タコによる食物依存性運動誘発アナフィラキシー例として、
数年前からカニ、エビ摂食後に蕁麻疹が出現するようになった25歳女性にて、タコの酢の物を含む夕食後にランニングを開始したところ、10分後に口腔内の痒み、全身に蕁麻疹、呼吸困難、嘔吐、下痢が出現。その後の検査で、特異的IgEはタコ、エビ、カニでクラス0、皮膚プリックテストではタコ、芝エビ(加熱)、ブラックタイガー(加熱)は陽性、カニ(ボイル)は陰性、タコを抗原とした好塩基球活性化試験は陽性で、負荷試験実施時にはタコ30g、50gの摂食のみでは症状出現はしていないが、タコ50g摂食30分後の歩行により上口唇に違和感、膨張が見られた報告もあります。
イカに比べ、アニサキスの寄生するタコを摂食する可能性は低い面がありますが、加熱したタコにおいても食物依存性運動誘発アナフィラキシーなど症状が出現する可能性があります。甲殻類においてはアルギニンキナーゼ、ミオシン軽鎖、筋形質カルシウム結合タンパク、トリオースリン酸異性化酵素、ヘモシアニン、トロポニンなどのアレルゲン可能性が挙げられていますが、タコ、イカのアレルゲンについても今後アップデートをしていきたいと思います。
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Mayu Ishikawa
だし汁の色は濁りますが、…