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白いんげん豆による反応

2021.01.19

投稿者
クミタス

いんげんまめにおいて、種皮の色が白い豆は「白いんげん豆」、赤い豆は「赤いんげん豆」と称され、「白いんげん豆」には「大福豆(おおふくまめ)」、「手亡(てぼう)」、「白金時豆」などが該当します。大福豆は斗六豆(とうろくまめ)、十六寸豆(とろくすんまめ)と呼ばれることもあり、洞爺大福、改良早生大福といった品種があります。

マメ科インゲン属インゲンマメ種:大福豆、手亡、金時豆、虎豆、うずらまめ
マメ科インゲン属ベニバナインゲンマメ種:白花豆、紫花豆
白花豆は大福豆、手亡、金時豆、虎豆、うずらまめとは別種の分類になります。

白いんげん豆による反応

・アレルギー反応
白いんげん豆の症例報告の中では、白いんげん豆がどの豆を指しているか不明な場合もありますが、白いんげん豆を摂食して多呼吸、顔面・頚部に発赤、眼球結膜充血、2回目摂食後に嘔吐、顔面蒼白、全身に蕁麻疹が出現。特異的IgE抗体値は大豆0.57UA/ml、インゲン10.1UA/ml(クラス3)、皮膚プリックテストは白いんげん豆で陽性、食物経口負荷試験では白いんげん豆2gで咳、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)低下、全身の蕁麻疹、入眠、軽度血圧低下。大豆は摂食可能でいんげん豆、小豆を除去している8歳女児の報告もあります。
大福豆、手亡、金時豆、白花豆、虎豆、うずらまめ、紫花豆におけるアレルギー、また他のマメ科インゲン属の豆、マメ科ササゲ属の小豆、ササゲ、他のマメ科の豆に反応する可能性について今後もアップデートしていきたいと思います。
あずきによるアレルギー(小豆アレルギー)について。ほかの豆への反応は?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2938

・レクチンによる反応
生の状態や加熱不十分な状態のいんげんまめ(白金時豆、虎豆など)、べにばないんげんまめ(白花豆など)などを摂取すると、1~3時間内に吐き気、嘔吐、下痢、腹痛等の症状が出現することがあります。
含有する糖結合タンパク質の「レクチン」が原因と考えられており、白花豆、白金時豆、手亡、虎豆、うずらまめ、紫花豆におけるレクチン活性は、小豆、大豆、落花生などと比較しても高い結果が見られています。
沸騰状態で10分ほどの加熱でレクチン活性低減、失活すると考えられ、生豆から調理する場合は、豆全体をしっかり煮るなど十分な加熱が症状出現回避対策となりますので、ご留意ください。


出典・参照:岩脇由希子  松井照明  佐藤奈由  中村政志  窪田祥平  北村勝誠  高里良宏  杉浦至郎  松永佳世子  伊藤浩明  あいち小児保健医療総合センターアレルギー科, 藤田医科大学アレルギー疾患対策医療学, ホーユー株式会社総合研究所  白インゲン豆アナフィラキシー症例と小豆アレルギー症例の検討

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