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筋緊張改善剤によるアナフィラキシー

2021.07.08

投稿者
クミタス

筋弛緩薬によるアレルギー、アナフィラキシーは薬剤アレルギーの中でも比較的多くみられます。筋弛緩薬には、その作用部位により中枢性筋弛緩薬と末梢性筋弛緩薬に分類されます。
ロクロニウム(筋弛緩薬)によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3801
ロクロニウムには第4級アンモニウムイオンが含まれていますが、ロクロニウム自体は初回使用の場合でも、第4級アンモニウムイオンを含むベクロニウムやスキサメトニウム、レラキシンといった他の筋弛緩薬、交差反応可能性のある成分を含む化粧品、毛染め剤、シャンプー、歯磨き剤などを使用し感作している場合などでは、アレルギー症状が出現する場合があることも示唆されています。

筋緊張改善剤は、骨格筋の緊張亢進を緩和し、血管を拡張して筋血流を増やすことにより、肩こり、頸部痛、頭痛、腰痛、手足のつっぱりやこわばりなどの筋緊張にともなう症状を改善する作用があります。筋緊張改善剤は消炎鎮痛剤と併用されることもあり、エペリゾン塩酸塩錠などの飲み薬もあります。継続して関節周囲炎、腰痛症に伴う筋緊張改善目的で服用されている方もいらっしゃいますが、膨疹、呼吸苦などのアナフィラキシー症状が出現することもあり、1か月に5回、服用から1~2時間後に全身のかゆみ、膨疹などが出現した52歳男性の例も見られています。当初は食物が原因候補に疑われ、検査により服用中の薬剤が原因と判明する場合もあります。発赤、そう痒感、蕁麻疹、顔面等の浮腫、呼吸困難等の異常が認められた場合には、投与中止も視野に早めに受診し相談できるのが望ましいでしょう。

出典・参照:神﨑美玲 禾紀子 水戸済生会総合病院皮膚科 西山堂慶和病院皮膚科 エペリゾン塩酸塩によるアナフィラキシーの1例

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