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眼薬使用下での眼の周りの皮膚炎

2020.10.20

投稿者
クミタス

眼薬(点眼薬)使用下で、眼の周囲がかゆくなるなど、皮膚炎を生じることがあり、含有する成分に反応する場合があります。

70歳代男性。眼の違和感に対し市販の点眼薬を使用開始したところ、眼の周囲に痒みを伴う紅斑、腫脹が出現した。点眼薬の使用を中止の上、ステロイド軟膏の外用を行い数日間で症状は軽快した。パッチテストでは点眼薬で陽性、パッチテストではアミノカプロン酸で陽性だった。

72歳女性。7年前より眼乾燥症状に対し、ヒアレインミニの点眼を1日3~4回使用するなど点眼薬使用下で、眼の周囲に痒みを伴う浮腫性紅斑が出現するようになったたため、ネオメドロールEE®外用にて加療するも、軽快と外用中止による再燃を繰り返したため受診。眼周囲に浮腫性の淡紅色紅斑が認められ、軽度苔癬化を伴っており、ヒアレインミニの成分パッチテストを施行したところ、ヒアレインミニに含まれているイプシロン-アミノカプロン酸による接触皮膚炎であることが明らかになった。

イプシロン-アミノカプロン酸は、点眼薬においては、炎症の原因となっているプラスミンの産生を抑え、眼の炎症を改善する効果を期待し消炎・収れん成分などとして使用されていますが、接触皮膚炎の原因物質となることがあります。
眼の周囲の皮膚炎においては、花粉、手に付着したアレルゲン、ビューラー、化粧品(パフ含む)などが原因となることがありますが、点眼剤、眼軟膏中の成分が原因となることがあります。使用中断により新たな症状が出現しなくなることもありますが、原因特定、中断可否や薬剤変更判断上、受診し相談できるのが望ましいでしょう。
また上記のイプシロン-アミノカプロン酸以外の成分による皮膚炎の例などについても、今後掲載していきたいと思います。

出典・参照:山口 麻里, 山本 彩乃, 安富 陽平, 長尾 洋, 大野 貴司, 森 英樹, 市販点眼薬中のアミノカプロン酸によって生じたアレルギー性接触皮膚炎, 皮膚の科学, 2018, 17 巻, 5 号, p. 245-249, ほか

マスカラ、アイライナー使用により痒くなる場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3405

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