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保湿剤の添加物

2019.12.21

投稿者
クミタス

保湿剤としてヒルドイドを使用している方も多いかと思いますが、ヒルドイドのクリーム、ソフト軟膏、ローション、フォームのタイプにおいて、すべて有効成分のヘパリン類似物質が3.0mg含有されている点は共通していますが、使用されている添加物の構成や物質には違いがあります。

・ヒルドイド®クリーム0.3%
グリセリン、ステアリン酸、水酸化カリウム、白色ワセリン、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール、セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物、ミリスチルアルコール、チモール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、イソプロパノール

・ヒルドイド®ソフト軟膏0.3%
グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル

・ヒルドイド®ローション0.3%
グリセリン、白色ワセリン、スクワラン、セタノール、還元ラノリン、セトマクロゴール1000、モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、カルボキシビニルポリマー、ジイソプロパノールアミン

・ヒルドイド®フォーム0.3%
原液:グリセリン、マクロゴール、ポリソルベート65、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、pH調節剤、噴射剤:LPG

ヒルドイド®ローション0.3%に使用され、他のヒルドイド製品には使用添加物としての記載のないセタノール、還元ラノリン、セトマクロゴール1000、ジイソプロパノールアミンにより皮膚炎やアレルギーを生じた例も見られています。
セタノールはラノリン、亜硫酸ナトリウム同様、基材として使用される成分で、これらは比較的接触皮膚炎の頻度も高い傾向があります。マクロゴールによるアレルギー例も見られていますが、ほかにも基材として使用されるセトマクロゴール1000に反応する場合もあります。

外用剤を使用していて塗布部位を中心に紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、大水疱、びらんを生じた場合、接触皮膚炎やアレルギーを発症している可能性がありますが、外用剤の有効成分ではなく添加物に反応しているケースも多いところでもあり、含有添加物次第で使用可能な製品タイプを選択できる場合もあります。
一方、セタノール、ラノリン、亜硫酸ナトリウム、ジイソプロパノールアミンなどは、保湿剤以外の様々な外用剤、化粧品などにも使用されていることがありますので、塗布剤使用後に上記症状を自覚した場合は、原因となる物質の絞り込みの意味でも、成分情報を記録しておけるのが望ましいでしょう。

マクロゴールによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3330

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