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イソプロピルアンチピリンによる蕁麻疹型薬疹・即時型アレルギー

2019.12.04

投稿者
クミタス

イソプロピルアンチピリンはピリン系の解熱鎮痛成分で、日本では市販の風邪薬にも配合されることがありますが、発疹や、頭痛、倦怠感、胃腸障害、血液障害(無顆粒球症、再生不良性貧血、血小板減少症など)、腎障害、またアナフィラキシーや重度の薬疹などが出現することがあります。
アスピリンはピリン系の解熱鎮痛薬ではありませんが、ピリン系の解熱鎮痛薬には、イソプロピルアンチピリン以外にアンチピリン、スルピリンなどが挙げられます。解熱鎮痛作用が強い反面、副作用として顆粒球減少症、アレルギー反応、ショックなどを生じる恐れがあります。

40歳代女性。プレコール持続性カプセル内服約20分後に咽頭の瘙痒感が出現。その後全身に瘙痒感を伴う浮腫性紅斑が出現し拡大した。無治療で約1時間30分後に軽快。プレコール持続性カプセルと、その成分であるイソプロピルアンチピリンでのスクラッチテストは陽性で、イソプロピルアンチピリン以外のプレコール持続性カプセルに含まれる各成分を含有する5種類の薬剤の内服テストを施行したところ、すべて陰性であった(出典・参照:イソプロピルアンチピリンによる蕁麻疹型薬疹の 1 例)。

「高熱(38℃以上)」、「目の充血」、「くちびるのただれ」、「のどの痛み」、「皮ふの広い範囲が赤くなる」といった症状が生じる重度の薬疹であるスティーヴンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症においては、抗生物質、解熱鎮痛薬、抗てんかん薬が原因薬剤となることがありますが、イソプロピルアンチピリンによる発症とみられる例の報告もあります。症状が沈静しない場合は、すぐに受診できるようにするのが望ましいでしょう。

薬剤によるアレルギー、薬疹とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1510
重篤副作用疾患別対応マニュアル~スティーヴンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2192

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