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オマリズマブと食物アレルギー

2019.10.09

投稿者
クミタス

経口免疫療法に際し、オマリズマブ (抗IgEモノクローナル抗体。商品名:ゾレア) を併用し、症状出現を抑え得る補助となり、目標量到達までの時間短縮となる可能性についての示唆はいままでにもなされていますが、
オマリズマブと経口免疫療法
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2458

喘息治療でオマリズマブ使用中の患者さんにおいて食物アレルギーの症状においての有用可能性についての報告もなされています。

30歳女性。過去に2 度モモの摂取直後に重症のアナフィラキシーを呈し、キウイやマンゴーでもアナフィラキシーを生じた。合併症に無治療のアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などがあった。喘息は初診時、重症持続型を呈しており、高容量のフルチカゾン・サルメテロール配合剤とモンテルカストを投与した。喘息の完全なコントロールを得ること、また合併する食物アレルギーの症状改善を目的として、4週間毎にオマリズマブ150mg/bodyを皮下注射した。同治療を開始した後、喘息の症状は軽快し、食物アレルギーに ついては、モモ果実入りゼリーやモモ(白桃)果実を用いて、再度負荷試験を行ったところ、症状は誘発されなかった(出典・参照:0malizumabの投与により改善を認めたモモアレルギーの1例)。

喘息合併の食物アレルギー患者さんにおけるオマリズマブ使用による有用性として、食物アレルギーの症状誘発も抑えられる可能性が考えられますが、症状誘発閾値が8.6倍上がったとの研究結果も見られています。

喘息疾患があり37の食物にアレルギーのある小児15人において、喘息治療のためにオマリズマブを4か月使用したところ、牛乳、卵、小麦、ヘーゼルナッツのアレルギー症状の誘発閾値が、平均1012.6 ± 1464.5mgタンパク質から8727 ± 6463.3誘発用量まで増加し(P <.001)、また4か月間にて意図しない摂取によりアレルギー症状が出現した回数は、47回から2回に減少した(出典・参照:Omalizumab Gets Tolerance In Patients With Severe Food Allergy: A Real-Life Study)。

上記は、喘息治療でオマリズマブを使用した患者さんにおいて、経口免疫療法を経ず症状誘発せずに摂取可能となった量が増量した例でもありますが、また経過など他の報告なども掲載していきたいと思います。

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