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ピーカンナッツ(ペカンナッツ)によるアレルギー

2019.07.26

投稿者
クミタス

ツリーナッツにはクルミ、カシューナッツ、アーモンド、マカデミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ピーカンナッツ(ペカンナッツ)などがあります。カシューナッツとピスタチオはウルシ科に属しますが、アーモンドはバラ科、ヘーゼルナッツはカバノキ科など分類上は様々に違いがあります。
反応するアレルゲンによってツリーナッツの中でも限定したナッツにのみアレルギー症状が出現することがあり、またカバノキ科花粉と交差反応性のあるアレルゲンに反応する場合はヘーゼルナッツやアーモンドに、ツリーナッツ間で分子構造の類似したタンパク質がアレルゲンとなる場合は異なる科の複数のナッツに、アレルギー症状が出現する場合もあります。

ピーカンナッツ(ペカンナッツ)のアレルゲンとしては以下などが挙げられています。
・2Sアルブミン:Car i 1
・7Sアルブミン:Car i 2
・11Sアルブミン:Car i 4

ピーカンナッツ(ペカンナッツ)はクルミと同じくクルミ科に属し、交差反応性が考えられています。
一報告例ではありますが、海外での報告からは、
クルミアレルギーまたはピーカンナッツ(ペカンナッツ)アレルギーが疑われる51人のうち、皮膚プリックテストまたは食物経口負荷試験で36人(70.6%)がクルミに陽性反応を示し、28人(54.9%)がピーカンナッツ(ペカンナッツ)に陽性反応を示した。そして(本報告内では)ピーカンナッツ(ペカンナッツ)に陽性であった方のすべてにおいてクルミに陽性反応を示した。
クルミのアレルゲンのうち
クルミ(くるみ)によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2286
Jug r 1、ビシリン(Jug r 2、Jug r 6)、Jug r 3、Jug r 4 での皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験では、クルミアレルギーの診断においてJug r 1 は、より特異性があり、クルミとピーカンナッツ(ペカンナッツ)にアレルギーのある方においては、Jug r 4、ビシリン(Jug r 2、Jug r 6)でより特異的であった(出典・参照:Deciphering the Walnut-Pecan Allergy Paradigm Using Component Resolved Diagnostics)、と、ピーカンナッツ(ペカンナッツ)に陽性である方においてクルミにも陽性反応を示す頻度が比較的高い可能性も伺えるところでもあります。

ピーカンナッツ(ペカンナッツ)は、クルミやアーモンド、カシューナッツと比較して国内での摂食機会は多くはありませんが、グラノーラやシリアル、クッキーやケーキ、チョコレートなどの菓子などで使用されている製品があります。今後、日本での症例なども情報を掲載していきたいと思います。

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