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加熱条件による抗原性の違い~レトルト食品など

2019.05.04

投稿者
クミタス

加熱加工によりタンパク質変性がおこることがありますが、同じメニューにおいても家庭での調理品と市販の食品では、抗原性に違いがあることがあります。

8か月女児にて生後6か月時に粥を摂食し2時間後に嘔吐、顔色・全身状態不良となり、1時間に改善。卵白特異的IgE 14.1UA/mL、米特異的lgE O.53UAfml、小麦特異的lgE O.55UA/mL、市販レトルト粥を用いた負荷試験は陰性だったが、自家製粥を摂食後に同様の症状を呈したため米アレルギーと診断し、米除去とした。生後11か月時に市販レトルト粥、自家製粥による負荷試験で陰性化を確認、除去を解除した(出典・参照:レトルト粥と自家製粥で症状誘発の乖離を認めた米アレルギーの一乳児例)。

家庭でも圧力鍋、活力鍋で調理する場合は、110~130℃弱など100℃以上の加熱温度を一定時間保ち得ますが、レトルト(加圧加熱)パウチ食品においては、加熱温度を100℃以上にあげることができ、家庭で通常の鍋で調理する際よりも高い温度での加熱加工がなされていることがあります。

レトルト(加圧加熱)加工後のアレルゲン検出状況としては、卵を含む複数の食材でつくる肉団子において、オボアルブミン、オボムコイドの以下検出調査例などもあります。

生サンプル:牛豚合挽き肉500g、タマネギ300g、パン粉75g、牛乳75g、卵100g、塩10g、コショウ10gの割合で作製。
焼サンプル(50g):小判状(厚さ1.5 cm×長さ7 cm)にし、オーブン(200℃、4分間)で両面を焼成
揚サンプル(50 g):焼サンプルと同様に小判状にし、サラダ油(700g)で揚げる(160℃、6分間、実測値160~180℃).
煮サンプル(100g):棒状(直径3cm)にラップ包装し、沸騰したお湯(10分間:実測値99.5~100℃)で茹でる
レトルトサンプル:市販加工食品を参考とし、煮サンプルをオートクレーブ(124℃、40分間)で加圧加熱
煮サンプル、レトルトサンプルはともに肉汁を含めてサンプルを調製

オボアルブミンキットでの検出状況
生サンプル(加熱前):28,000μg/g
焼サンプル(50g):20μg/g
揚サンプル(50 g):7μg/g
煮サンプル(100g):160μg/g
レトルトサンプル:1μg未満/g

オボムコイドキットでの検出状況
生サンプル(加熱前):31,000μg/g
焼サンプル(50g):15,179μg/g
揚サンプル(50 g):10,286μg/g
煮サンプル(100g):9,300μg/g
レトルトサンプル:260μg/g

出典・参照:調理による卵アレルゲンの変性

検査キットによっても数値は異なることがあり、加熱温度、加熱や調整の均一性、複数の食材と一緒に調理される場合と、単一の食材のみ加熱加工する場合によっても違いがある可能性があり、また煮汁への溶出により食物そのものに含有する量が低減する場合もありますが、ご家庭での通常の鍋での調理時とレトルト加工品では同量でも抗原性に違いがある場合があることを想定のうえ、摂取量に留意できるのが望ましいでしょう。

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