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セメントによる皮膚炎

2019.01.29

投稿者
クミタス

セメントは水酸化カルシウムの水和反応により、強アルカリ性となり皮膚に長時間付着した場合、熱傷を生じることがありますが、セメントに微量に含有する物質に皮膚炎を生じることもあります。

セメントに含有する物質


セメントに微量に含有する重クロム酸カリウム(六価クロム化合物の1つ)、塩化コバルトなどは接触皮膚炎の原因となることがあり、瘙痒性角化局面、紅斑、浮腫、乾燥、丘疹などの出現がみられることがあります。

皮膚の防護は早めから


主に仕事でセメントに接触する機会の多い方での症状出現リスクがありますが、皮疹が現れた後からゴム手袋着用のうえ作業をおこなっているうちに、ゴム手袋に含有する物質にも反応するようになった方の例も報告されています。
天然ゴム製の手袋ではラテックスに、また天然ゴム製でなくても合成ゴム手袋にも使用される添加物の加硫促進剤(ゴム硬化剤)の1つ、ジチオカーバメイトミックス(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛など)、チウラムミックス(テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなど)などに反応し、皮膚炎を生じることがあります。
皮膚に傷ができた状態でゴム手袋を着用することで、より原因物質の吸収を高める可能性もあり、セメントを扱う小規模作業においても、日頃からの事前の皮膚防護ができることが望ましいでしょう。

ゴム製品中の物質による接触皮膚炎、アレルギー反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3041


出典・参照:セメント皮膚炎とゴム手袋による接触皮膚炎を合併した1例

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