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貝アレルギー、食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の例

2018.07.15

投稿者
クミタス

貝による反応として、摂食による食物アレルギー、アナフィラキシー以外にも、接触による症状出現、また摂食して食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の例なども見られています。
貝による反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2053
にも掲載していますが、具体的な貝による反応例を掲載します。

・ラパス貝(トコブシ)
45歳女性でトコブシのバター炒めを摂取した30分後に咽頭部違和感、右季肋部(みぎきろくぶ)の持続痛、出勤後荷物運搬業務をおこなっていたが、摂取から3時間半後に全身の発赤、掻痒感、下痢気味の軟便、その後も腹痛、全身の発赤、掻痒感が続いたため、受診し、食物依存性運動誘発アナフィラキシーが疑われた。後日特異的IgE抗体値はホタテでクラス2、アサリ、ムラサキイガイが0で、皮膚プリックテスト(SPT)でトコブシとアサリが陽性であった。

・アワビ
22歳男性で、初診の2年前に寿司屋に就職し、生の魚介類を扱うようになり、1か月前に生のアワビ、クルマエビとアカエビを調理中に手に瘙痒感を伴う発赤が生じ、その後全身の瘙痒感、呼吸困難感を訴え救急搬送された。その後も仕事を継続し、アワビとクルマエビを調理した際には, 時折手の瘙痒感や咳嗽を自覚、血液検査ではアサリ、カキとホタテの特異的IgE抗体値がクラス2で、プリックテストは生のアワビで強陽性、加熱したアワビ、生のクルマエビ、生のタコで陽性であった。アワビのプリックテスト中に、軽度の呼吸困難感が出現したが、5分ほどで自然に軽快した。また生と加熱したアカエビを含むほかの各種魚介は陰性で、タコは接触しても摂取しても症状は生じていない。

●食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)

・アサリ
2歳時に初めてクラムチャウダーを摂取後に腹痛、嘔吐を認め、アサリの特異的IgE抗体値が高値であったことからも、アサリによる食物アレルギーと診断されていたが、4歳時に特異的IgE抗体値が低値になり、他院で食物経口負荷試験をおこなったところ、ゆでアサリ15粒摂取で最終負荷から3時間後に頻回の嘔吐を認めた。アサリの抽出液を用いてパッチテスト、リンパ球刺激試験では陽性で、症状出現までの時間と症状(胃腸症状のみ)も鑑み、食物蛋白誘発胃腸炎(FPEIS)が疑われた。

・アサリ
6歳男児でホタテは摂食して症状はなかったが、2歳よりアサリ摂取後に嘔吐を繰り返しているため近医を受診。アサリ特異的IgEが陰性であり、別の病院で精査となったところ、アサリ特異的IgEは1.04UA/mlで、皮膚プリックテストは膨疹径4mm、生アサリによるパッチテストは陽性、リンパ球刺激試験も陽性(5305cpm,SI=1211%)であった(リンパ球刺激試験にてムール貝、ホタテ、牡蠣、ハマグリ、シジミの煮汁では陰性)。ゆでたアサリによる経口負荷試験では摂取2時間後に腹痛と嘔吐が出現し、末梢血好中球数も負荷前の2924/μlから負荷6時間後に16082/μlまで増加したことを鑑み、アサリによる食物蛋白誘発胃腸炎(FPEIS)が疑われた。


貝類のアレルゲンにおいては、トロポミオシンが考えられていますが、貝の中でも目や科などのグループによってもトロポミオシンのアミノ酸配列相同性が異なる場合もあり、またほかにもパラミオシン、ヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanin)などがアレルゲンとなっている可能性もあります。貝に反応がある場合も、すべての貝に反応するとは限らず、特定の貝にのみ症状が出現する場合もあります。摂取可能な場合もありますので、医師に相談のうえ、摂取可能な場合は少量ずつ試していけるのが望ましいでしょう。


出典・参考:
ラパス貝によるアナフィラキシーの一例
寿司職人に生じたアワビによる接触蕁麻疹症候群の1例
Prick by Prick Testが診断に有用だったアワビによるアナフィラキシーの1例
アサリによるFood Protein-induced Enterocolitis Syndrome(FPIES)の一例

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