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長期保存可能食品の栄養素は、保管中にどの程度減衰するか?

2018.03.30

投稿者
クミタス

東日本大震災において避難所でのエネルギー量、栄養摂取状況の調査では、エネルギー量、タンパク質量は比較的に充足していたのに対し、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCは不足していたとの結果も見られています。非常食、保存食、災害時の食品においては、メニューに偏りがある面もありますが、長期保存可能食品の栄養素の量はどのような状態になっているのでしょうか?

未開封の状態での栄養素の減衰状況


製造工程でも加熱により特にビタミンCどが減衰しますが、開封しない状態での保管中にもビタミンなどが減衰し、具体的には以下調査結果もあります。

■ビタミンB12 
未開封の状態で、缶の乳児用液体ミルクでは製造直後から15か月後では減衰しなかったが(賞味期限9~12か月。以下同)、レトルトパウチ(アルミ)の乳児用液体ミルクで12か月後に9%減(賞味期限9~12か月。以下同)、紙パックの乳児用液体ミルクで7.5か月後に23%減(賞味期限6か月。以下同)、
ロングライフ牛乳においては、製造後70日までに製造直後の60%まで減少していた商品、サバ缶詰に含まれる遊離型ビタミンB12の割合は、保存期間9~11か月において製造直後の4~10日のものより60%まで減少していた商品もあった

■ビタミンB1
未開封の状態で、缶の乳児用液体ミルクでは製造直後から15か月後には14%減、レトルトパウチ(アルミ)の乳児用液体ミルクで12か月後に11%減、紙パックの乳児用液体ミルクで7.5か月後に18%減

■ビタミンB6
未開封の状態で、缶の乳児用液体ミルクでは製造直後から15か月後には14%減、レトルトパウチ(アルミ)の乳児用液体ミルクで12か月後に10%減、紙パックの乳児用液体ミルクで7.5か月後に20%減

■ビタミンC
未開封の状態で、缶の乳児用液体ミルクでは製造直後から15か月後には5%減、レトルトパウチ(アルミ)の乳児用液体ミルクで12か月後に10%減、紙パックの乳児用液体ミルクで7.5か月後に16%減

■葉酸
未開封の状態で、缶の乳児用液体ミルクでは製造直後から15か月後には15%減

■イノシトール
未開封の状態で、缶の乳児用液体ミルクでは製造直後から15か月後には15%減、レトルトパウチ(アルミ)の乳児用液体ミルクで12か月後に3%減、紙パックの乳児用液体ミルクで7.5か月後に25%減

長期保存が可能な食品においては、商品によっては保管中にも減衰する栄養素があり、商品の規格により異なりますが、日光の当たらない、高温になる場所でない環境などでの保管、早めの喫食にて、減衰を抑制し得る場合もあります。
商品によっても異なりますが、レトルトパウチ製の加工食品のみを3か月間摂食していて、浮腫、感覚低下、筋肉痛などの症状が続き、主にビタミンB1不足が原因となる脚気を発症した例もあります。災害時には、ビタミン不足とならないような備えや、様々な食物が入手可能になった際にはできるだけバランスの良い摂食ができるのが望ましいでしょう。

ビタミンB12を多く含む食物:あさり、しじみ、赤貝、いくら、はまぐり、牡蠣、あんこうのきも、たらこ、レバー、いわし、さんま、のり、チーズなど
ビタミンB1を多く含む食物:豚肉、まいたけ、たらこ、いくら、ごま、のり、大豆、ぬか漬け、昆布など
ビタミンB6を多く含む食物:にんにく、まぐろ、かつお、ピスタチオ、鶏肉、鮭、さんま、バナナ、ごま、抹茶など
​ビタミンCを多く含む食物:ピーマン、パセリ、アセロラ、キウイフルーツ、いちご、レモン、柿、ブロッコリー、キャベツ、レモンなど
葉酸を多く含む食物:レバー、のり、うに、ほうれん草、抹茶、わかめ、枝豆、モロヘイヤ、アスパラガス、春菊など
イノシトールを多く含む食物:小麦胚芽、ピーナッツ、アーモンド、ささげ、グリーンピース、オレンジ、小麦、大豆など


出典・参照:乳児用液体ミルク(仮称)についての報告
長期保存食品中ビタミン B12 の保存による変化
レトルト食品ダイエットにより引き起こされた衝心脚気の 1 例
真空調理における調味液添加がジャガイモ(メークイン種)のテクスチャーおよびビタミンCに及ぼす影響

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