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ドウモイ酸による中毒について(魚介類、甲殻類)

2015.11.10

投稿者
クミタス


オレゴン州との州境から南部サンタバーバラ郡にかけての沿岸で捕れたアメリカイチョウガニとイワガニから、ドウモイ酸が高値で検出され、米カリフォルニア州公衆衛生局では、2015年11月5日付で当該地域産の上記カニを食べないよう勧告しています。
https://www.cnn.co.jp/usa/35073024.html

ドウモイ酸は、主に珪藻シュードニッチャ属、ニッチャ属、アンフォラ属によって産生されます。これら珪藻を取り込む、ムラサキイガイ(ムール貝)、イガイ、ホタテガイ、マテガイ、モンゴウイカ、ダンジネスクラブ(ホクヨウイケチョウガニ)、スベスベマンジュウガニ、アンチョビに、ドウモイ酸が蓄積されていることがあると確認されています。

記憶喪失性貝毒の症状


ドウモイ酸は摂取すると中毒になることがあり、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまい、重症化にて呼吸困難や発作を起こし、昏睡状態に陥り死亡することもあります。致死量は300mg/60kgで、赤潮やエルニーニョ現象の影響で珪藻が大量発生することで、蓄積されるドウモイ酸の濃度も高くなり、致死性が高まります。
過去、カナダでの死亡者も出たムール貝でのドウモイ酸中毒の例では31~128mg/ムール貝100gのドウモイ酸が検出されており、体重60㎏の方でムール貝12粒ほどの摂取で、体重20㎏の子供で4粒ほどで致死可能性があったことになります。
また、高濃度にドウモイ酸が蓄積された魚介類、甲殻類を摂取した鳥類やアシカの死亡もアメリカ、カナダにおいて見られています。

ドウモイ酸による中毒の特徴として、記憶喪失性貝毒による毒化が挙げられます。ドウモイ酸は脳内の海馬に大量に取り込まれ、グルタミン酸受容体と結合し脳細胞を興奮、死滅させ、中枢神経が侵されることで、記憶障害を引き起こし、重症患者では記憶喪失が18か月続いたとの報告もあり、回復しても記憶機能の障害が残る場合があります。 

日本では


日本でも主に南西諸島や鹿児島における紅藻類ハナヤナギ、ケヒメモサズキ、ニセイバラノリからドウモイ酸が比較的高濃度に検出されることがあり、ハナヤナギ摂取による死亡例もあるとも言われています。
日本国内で市場流通品によるドウモイ酸による中毒例の報告は散見されませんが、自分で採取したムール貝などの魚介類、甲殻類、珪藻においてのリスクが無いとは言えません。

ドウモイ酸を高濃度に含む魚介類、甲殻類は外見からは判別できず、加熱しても毒素は分解されません。ドウモイ酸は腎臓を経由し排出されるため、腎機能障害のある方、そして高齢者、子供においては留意しておきたいところです。

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