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医薬品によるアナフィラキシーにおいて

2022.08.16

投稿者
クミタス

医薬品によるアナフィラキシーについては、以下でも掲載しておりますが
60歳未満でのアナフィラキシーの原因薬物例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3916
今回は、死亡例における原因薬物の傾向に関して掲載したいと思います。

2004年4月~2018年2月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ報告され、JADERに登録された医薬品による副作用が疑われた症例のうち、発生時期が2005年1月~2017年12月のアナフィラキシー症例を対象に169,16例のうち死亡例は418例(2.5%)、アナフィラキシー症例及び死亡例の頻度は人口10万人あたり平均1.03例/年、平均0.03例/年で、アナフィラキシー症例ではX線造影剤を含む診断用薬(20.3%)、血液製剤類を含む生物学的製剤(20.1%)の頻度が高く、死亡例では診断用薬(28.7%)、抗生物質製剤(23.9%)の順であった。
13年間の医薬品アナフィラキシー及びアナフィラキシー死亡例の頻度に変化は見られず、X線造影剤を含む診断用薬、生物学的製剤の頻度が高く、X線造影剤を含む診断用薬,抗生物質製剤による死亡例が多いことを示唆しています。

X線造影剤は高浸透圧性イオン性、高浸透圧性非イオン性、低浸透圧性イオン性、低浸透圧性非イオン性の中で、低浸透圧性非イオン性が選択される事が多く、低浸透圧製剤で重症副作用は0.04%、重篤副作用は0.004%、造影剤によるアナフィラキシーはIgE非依存性である事が多いとの報告もあります。
MRI造影剤はX線造影剤とは異なる物質で、X線造影剤とMRI造影剤で交差反応は見られないとされていますが、X 線造影剤、MRI 造影剤ともに気管支喘息は重症化因子の1つであるとも考えられています。今後も医薬品におけるアナフィラキシー、傾向について掲載していきたいと思います。

出典・参照:杉崎千鶴子 佐藤さくら 柳田紀之 海老澤元宏 医薬品 副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database:JADER)を利用した医薬品によるアナフィラキシー症例の解析
4. 造影剤・局所麻酔等とアナフィラキシー ー避けるだけでは済まされないー

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