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アヒル卵によるアレルギー

2022.02.01

投稿者
クミタス

現行の食品表示基準において定められている特定原材料の「卵」の範囲は、食用鳥卵全般(食用鳥卵(鶏卵、アヒルの卵、ウズラの卵、その他の食用鳥卵)、鶏卵の加工製品、その他の加工卵製品)とされています。
キジ科:鶏、ウズラ、七面鳥
カモ科:アヒル、マガモ、カルガモ

鶏の卵白は抗体結合を指標とすると、七面鳥、ガチョウ、 アヒル、カモ、カモメの卵白と交差性を示すとの報告も見られており、アヒル卵、ウズラ卵は鶏卵と交差抗原性が示唆されています。
ピータンはアヒル卵を使用し製造されることが多いですが、鶏卵にアレルギーの子供50人のうち、皮膚プリックテストでウズラ卵の卵白で69.2%(36人)、アヒル卵の卵白で65.5%(34人)において陽性、感作が見られたとの報告がなされています。

一方で鶏卵にはアレルギー症状はなく、ウズラ卵の摂取後に嘔吐、咽頭違和感、下痢、腹痛、発熱が出現した例や、
ウズラ うずらの卵による反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2157
鶏卵アレルギーのない方でアヒル卵にアレルギー症状が出現した小児、成人での報告もあり、鶏卵にアレルギー症状が出現していなくてもウズラ卵、アヒル卵、カモ卵に症状が出現する場合もあります。

またアヒル卵に陽性反応(IgE抗体価)を示しても、鶏卵を摂食してアレルギー症状が出現しないこともあり、臨床上、鶏卵アレルギー患者さんが他の鳥類卵の摂取でアレルギー反応が誘発されたとする報告は、ウズラ卵の摂取 によるアナフィラキシーの報告がなされていますが、アヒル卵での例はいままでのところ多くはないところでもあります。
アヒル卵、アヒル毛のアレルゲン、非IgE依存性食物蛋白誘発胃腸症なども含めた症状出現状況について今後もアップデートしていきたいと思います。


出典・参照:
Mozhgan Moghtaderi Seyed Hesamedin Nabavizadeh Saeed Hosseini Teshnizic The frequency of cross-reactivity with various avian eggs among children with hen’s egg allergy using skin prick test results: fewer sensitizations with pigeon and goose egg
M Alcántara Villar  L Palacios Colom S Anaya Anaya  L Bustamante Orvay  L Jimeno Nogales Duck Egg Allergy in an Adult Patient Without Allergy to Chicken Egg
評価書 アレルゲンを含む食品 卵 2021年6月 食品安全委員会

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