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水銀による症状出現

2022.01.07

投稿者
クミタス

水銀が体内に取り込まれ中毒症状が出現することがあり、急性症状としては流涎、おう吐、腹痛、下痢、頭痛、悪寒、しびれ、めまい、視覚・聴覚異常など、慢性症状として運動失調、歩行異常、四肢反射の異常、抹消知覚障害、感覚鈍麻などが報告されています。また水銀軟膏を塗擦した後、発熱を伴い中毒疹様発疹を生じることがあります。

・水銀軟膏
マーキュロクロム(赤チン)による接触性皮膚炎の既往のある49歳男性。市販の水銀軟膏を外用後、重症の皮膚炎を認めただけでなく、離れた部位にも発赤を認めた。血液検査所見より軽度の肝・腎障害がみられ、水銀の経皮吸収あるいは蒸散水銀の吸入による水銀中毒症状と考えられた(出典・参照:山田佐知子 木花光 済生会横浜市南部病院皮膚科 水銀軟膏による水銀皮膚炎の1例)。

・水銀体温計
50歳男性。6日前に水銀体温計を破損し、その翌日より全身に皮疹が出現した。水銀皮膚炎と診断し、ステロイドの内服と外用を行って皮疹は改善した。水銀の貼布試験は陽性で、皮疹出現時に上昇していたTARC値は治療とともに低下した(出典・参照:梅舟莉加 梅林芳弘 東京医科大学八王子医療センター皮膚科 水銀皮膚炎の1例 血清TARC値の経時的変化を観察した症例)。

家庭により過去に購入した水銀体温計、有機水銀化合物であるマーキュロクロム(赤チン)、水銀軟膏が保管された状態になっていて、水銀体温計を破損し水銀に暴露することもあります。症状が出現した場合は、原因可能性も視野に入れられると良いかもしれません。

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