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解熱鎮痛剤によるアレルギー~添加剤が異なる製剤に変更し改善することも

2019.09.06

投稿者
クミタス

解熱鎮痛剤は薬剤アレルギー例において原因薬剤の1つに挙げられます。アセトアミノフェンはアスピリンと同等の鎮痛、解熱作用をもつ薬物とされていますが、アセトアミノフェンが有効成分の解熱鎮痛剤にアレルギー症状を起こした方において、アセトアミノフェン配合薬によっては症状が出現せず、有効成分であるアセトアミノフェンが原因ではなく添加剤が原因であることがあります。

ポピドン(ポリビニルピロリドン、PVP)は、アセトアミノフェンが有効成分のカロナール錠200、300、トラムセット配合錠(トラマドール塩酸塩も有効成分)などには添加されておらず、カロナール錠500には添加されています。
75歳女性にて薬物アレルギーの既往があり、とくにアセトアミノフェンが被疑薬となっていたが、アセトアミノフェンを含むトラムセット配合錠を内服していた際にアレルギー症状は発現していなかったため、アセトアミノフェンによるアレルギーではないと考えられ、カロナール錠500を開始したが、背部と前胸部に広範囲の点状紅斑と掻痒感が出現した。そこで添加剤を調査し、原因として疑わしい添加剤が含まれていないカロナール錠200へ変更したところ、症状は出現しなかった(出典・参照:アセトアミノフェンの添加剤が原因と推察されたアレルギーの1例)例もあります。

ポリビニルピロリドン(PVP)は、ヨウ素の可溶化剤などとしても使用されますが、薬剤アレルギーの既往の無い4歳男児で耳介の後面に出現した黄色浸出液を伴うびらんに対してポビドンヨード(ポリビニルピロリドンとヨウ素の複合体)で消毒した数十分後に咳、頚部に蕁麻疹が出現し1時間後には軽快。同日夜、再度消毒したところ、喘鳴、眼囲腫脹、蕁麻疹が出現。その後のスクラッチテストでポリビニルピロリドンに陽性だったケース等があります。
ポビドンヨードが含有されている剤:イソジン®うがい薬、イソジン®うがい薬P、イソジン®うがい薬C、イソジン®ウォッシュ、イソジン®のどフレッシュ、明治うがい薬、ケンエーうがい薬S、ケンエーうがい薬、コサジンガーグル、ポビドンうがい薬、のどケアスプレーS、カイゲンのどスプレー、ガーグルフレッシュなど

ポリビニルピロリドン(PVP)は、化粧品、整髪料などにも使用されており、含有薬剤使用前にも感作の機会がある物質でもあります。アレルギー症状の原因物質となっている場合は、使用されていない製剤に切り替えることで、症状出現を抑制し得るところでもありますので、様々な製品を使用し繰り返し症状出現している場合は、共通に含有する成分に反応している可能性を視野に、受診し原因特定ができると良いかもしれません。

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