魚を摂取してヒスタミンによる食中毒が原因となり、顔面紅潮、発疹(じんましん)、かゆみ、頭痛などの症状が出現することがあります。
魚肉に付着したヒスタミン産生菌が出すヒスチジン脱炭酸酵素により ヒスタミンが産生されますが、ヒスタミンの産生程度は、以下等の因子が複合的に影響する可能性が考えられています。
・魚の筋肉中に存在するヒスタミンの前駆物質である遊離ヒスチジン含有量
・体表面や腸管内に存在するヒスタミン生成菌の種類、菌数
・流通、加工、調理などの全工程における汚染、保管温度、保管時間
30~37℃が至適温度であるヒスタミン生成菌が多いため、常温保存を避けることはヒスタミン量増抑制に繋がりますが、2.5℃ほどでも増殖する菌もあるため、冷蔵中や解凍中にもヒスタミン量が増える場合があることを踏まえ、早く消費できることが望ましいところです。
また、魚類を保存、加工する際、内臓を除去していない場合に腸管内で増殖したヒスタミン生成菌が筋肉内へ移行してヒスタミンを生成、蓄積することにより、内臓を除去している場合に比べ魚の筋肉中のヒスタミン濃度が高くなる可能性があります。
ヒスタミンへの感受性
同種の魚においてもヒスタミン量に個体差があり、また部位によってもヒスタミン濃度に違いがあると見られています。
ヒスタミンはヒトの体内でも生成されていますが、ヒトにおいてヒスタミンへの感受性に個人差があることからも、含有量が多いと食中毒リスクは高くなりますが、含有量のみが発症に影響するとは限らない面があります。
ヒスタミンは腸管に存在する酵素により代謝されますが、酵素が十分に機能していないと、ヒスタミンが代謝されず、ヒスタミン食中毒に至りやすくなる場合があります。大人一人当たり100mg程度の摂取でもヒスタミン食中毒に至ることがありますが、薬剤投与中の方、体重の少ない小児では食中毒発症閾値よりも少ないヒスタミン量でも発症する可能性があります。
また、ヒスタミンと同じ不揮発性アミン類のカダベリン、チラミン、プトレシン、フェネチルアミンをヒスタミンと一緒に摂取すると、体内でヒスタミンの解毒酵素を阻害したり、ヒスタミンの腸管吸収を増加させ、ヒスタミンの吸収量が増加する可能性があります。
ヒスタミンは102℃で3時間の加熱でも一部しか分解されないため、加熱調理をしてヒスタミン量を減らすことは難しいですが、魚、魚料理など食物を口に入れたときに唇や舌にピリピリとした刺激を感じる場合は、食べるのをやめるのが望ましいでしょう。
出典・参考:化学物質及び自然毒による食中毒及び有症苦情事件例(平成27年)
大阪府におけるヒスタミン検査事例について
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