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赤肉アレルギーとマダニ咬傷

2016.02.29

投稿者
クミタス

牛肉へのアレルギー症状が、マダニに咬傷されることが原因の1つと以前から考えられていましたが、マダニの唾液腺に、牛肉アレルギーを引き起こす物質が含まれているとの研究報告が島根大学より最近なされています。

マダニは様々な種類が存在していますが、ニホンジカなどに寄生し国内に生息するフタトゲチマダニ、アメリカに生息するローン・スター・ティックなどのマダニに噛まれると、マダニの体内に存在する糖鎖であるα-galが人の体内に入り、抗体ができることがあります。
牛肉にはα-galが存在しており、α-galに抗体ができた状態で牛肉を摂取すると、アレルギー反応が出る場合があると様々な研究により示唆されていました。
島根大学での報告ではこの糖鎖α-galがマダニの唾液腺に存在していることがわかったという内容になります。

マダニとは


マダニは、家ダニとは異なる種類であり、山や林などに生息する硬い外殻に覆われた、家ダニの10倍近くの3mmほど~吸血後で1cm超ほどの大きさの節足動物になります。人が山林に入り吸血されると様々な感染症を引き起こすことがあり、SFTSウイルスを保有するマダニ咬傷からの感染により主に引き起こされる重症熱性血小板減少症候群は、国内では2013年に死亡事例が発表されて以降、2016年1月27日現在で届出があったSFTS死亡者数は46人となっています(死亡者数出典:NIID国立感染症研究所)。尚、届出内訳としてSFTS患者は農作業、農林業等で山林、草むらに入る機会が多いとみられる60歳代以降が9割近くを占めており、感染地域は三重県以西に、発症時期は5月~8月に多く見られています。

α-gal感作による影響


α-galが含まれるものに、牛肉以外に赤肉である豚肉、羊肉も挙げられます。そのためマダニ咬傷により人がα-gal感作した場合、豚肉、羊肉にアレルギー反応を示す可能性、牛肉にアレルギー反応を示すと、豚肉、羊肉、ゼラチン(牛由来、豚由来)に反応を示す可能性があります。また、症例から子持ちカレイ(主にカレイ魚卵)との交差反応性も挙げられています。
マダニ咬傷によるα-gal感作は、がん治療に用いられる分子標的薬セツキシマブ(アービタックス)投与による即時反応の一部においても関係していることが示唆されています。

対策として


マダニ咬傷自体がアレルギー症状を誘発する可能性もあります。マダニ咬傷を防ぐことは予防策となりますので、草むら、山林では素肌をさらさないようにする、帰宅後は直ちに着替える、入浴するなどが望ましいとされています。
また犬、猫の耳の辺りなどのマダニ対策の際にも、マダニを素手で触らないようにし、刺されていることに気付いた場合は、無理に引っ張らずに皮膚科に受診するのが望ましいとされています。

参考:牛肉アレルギー、マダニ唾液腺に原因物質 島根大医学部初確認
セツキシマブによるアナフィラキシーの予知予防

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