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レプトスピラ症〜ネズミとの接触歴

2023.07.10

投稿者
クミタス

病原性レプトスピラを保有しているネズミ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタなどの尿や、その尿で汚染された下水や河川、泥などから経皮的に、または汚染された飲食物の摂取により経口的にヒトに感染するとみられています。
7月~10月に多く発生しているレプトスピラ症においては、発熱、筋肉痛、頭痛、咽頭通、悪寒、悪心・おう吐、眼痛、下痢、尿量減少、結膜充血、黄疸、出血、腎不全など様々な症状が見られ、多くは感染から3~14日の潜伏期間を経て症状出現します。
レプトスピラ症~濁った河川に入り感染することも
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2756
東京都内で感染したレプトスピラ症ではネズミとの曝露歴のあった例が多くみられていますが、今回は報告例を掲載します。
 
市場の魚屋に勤務する70歳代の男性。来院 4 日前から悪寒を自覚し,来院 2 日前から 倦怠感と両肩や両脚の関節痛を伴ってきたため鎮痛薬の内服を開始。来院前日から労作時の呼吸困難と倦怠感が 強くなり、救急外来を受診。結膜充血や関節痛、肝腎機能障害、炎症反応やクレアチンキナーゼ(CK)上昇、血小板減少に加え、国外渡航歴や水辺への旅行歴はなく、ネズミが多く生息している魚市場の中で日常的に勤務しており,職場でネズミの尿に曝露し感染に至ったと推察され、レプトスピラ症が疑われ入院した。入院時に採取した血清および尿検体を使用したPCR検査でレプトスピラ鞭毛遺伝子flaBが検出され、レプトスピラ症と診断された。入院後は呼吸循環障害のため集中治療室に入室したが、人工呼吸器や腎代替療法は要さず、入院第14病日に自宅退院となった。
来院当日と2週間後、1か月後、3か月後に実施した顕微鏡下凝集試験では、L. interrogans serovar Canicolaなどの複数の血清型で抗体価は陽転化していた(出典・参照:磯川修太郎 志波大輝 赤穂良晃 白崎加純 岩崎任 一二三亨 大谷典生 日救急医会関東誌 43(4),2022年 築地市場で感染した重症レプトスピラ症の1例)。

よろしければこちらもご参照ください。
動物由来感染症ハンドブック2022
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000906241.pdf

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