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夏に多い食中毒の種類

2016.07.31

投稿者
クミタス


ノロウィルス感染は夏でもおこり、食中毒の発生は通年でおこりますが、室温、気温が高く、湿度の高い日も多い夏場に気を付けたい食中毒の中からお送りします。

■サルモネラ

鶏卵が原因食物となることが多いですが、市販鳥肉からも検出されることがあります。ジビエ肉での検出可能性もありますが、中心部まで75℃以上で1分加熱により死滅します。

鶏卵のサルモネラに感染しないようにするには?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/304


■O-157(腸管出血性大腸菌)

記憶に新しい2014年7月26日開催の花火大会の露店で購入した浅漬けの「冷やしきゅうり」により患者数510人となった食中毒事件の原因菌とされています。少ない菌数でも発症するため通年で発生しますが、夏から秋にかけて増殖しやすく、軽い下痢で終わることもある一方、産生するベロ毒素が溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を起こすと重症化します。
3~9日の潜伏期間を経て発症します。
様々な食品に汚染する可能性がありますが、ハエやウサギなどの反芻動物の糞経由での感染可能性もあります。
75℃で60秒以上の加熱で死滅しますので、中心部まで75℃で60秒以上加熱することは予防策になります。早めの消費を前提にカット野菜は水洗いをしてから、生食するサラダや漬物は水洗いできるものは水洗い、または加熱調理に使用することも増殖予防には意識したい観点でもあります。
またサラダバーでは一度皿に取ったり、手でつかんだものを戻したりせず、自らが汚染させないようにすることも大事です。

O157感染と併発症状
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1340


■黄色ブドウ球菌

食品に付着した黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンを食品ごと摂取することで感染します。黄色ブドウ球菌は人の皮膚にも存在しますが、素手で食品に触らない、エンテロトキシンが産生される10~46℃の状態に食品の温度を維持しないことが予防策となります。


■カンピロバクター

十分に火が通っていない鶏肉による感染例が多く、1~7日の潜伏期間を経て、症状が出年します。
中心部を75℃以上で1分間以上加熱することは予防策となります。吐き気や腹痛、水のような下痢が主な症状で、初期症状では、発熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感などがみられます。
症状回復後にギラン・バレー症候群を発症するケースがあります。


■アニサキス

冬での発生が多いですが、8月~10月にかけて、アニサキスによる食中毒事例が増えていきます。原因となるアニサキス幼虫は目視確認ができますので、透明がかった白色で渦巻き状、あるいは糸状の虫がはいっていないか確認の上、見つかった場合は加熱調理をするか、摂取中断できるのが望ましいです。
こちらをご参照ください。

アニサキスによる食中毒やアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC/


■腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは沿岸地域、汽水域の底にも生息するグラム陰性の短桿菌で、食塩水中で発育、増殖するため、塩ゆでした海産物や、塩漬けした海鮮生食品で、腸炎ビブリオに汚染されているものを摂取して、食中毒をおこすことがあります。

発生件数は平成20年以降変動はあるものの減少傾向にあり、平成23年以降は年間件数は10件未満になりますが、外食時でのまとまっての感染で患者数が260人超になる年もあり、過去にはしらす干し、煮カニ、いかの塩辛などで患者数が多く発生したケースがあり、輸入品の中で汚染されている海産物が発覚することがあります。

汚染された食品の摂取後12時間前後で、腹痛、下痢、また発熱、おう吐をおこすことがありますが、1~2日中と比較的早期に回復することが多いのですが、基礎疾患のある方、50歳代以降の方で、敗血症による低血圧、心電図異常、場合により死に至ることもあります。
腸炎ビブリオは熱に弱く、煮沸すると死滅しますので、有効な対策法と言えます。

こちらも参照ください。
貝による食中毒について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/849


■ウェルシュ菌

常温保存のカレーを食べた後での下痢においては、原因となることがあり、汚染食品を摂取し6~18時間後に腹痛、下痢が起こることがありますが、多くは1~2日中に回復しますが、まれにウェルシュ菌の産生物により敗血症に至ることがあります。
ウェルシュ菌は熱に強く、43~47℃でよく発育します。
菌数が多いと発症リスクが高まるため、増殖させないように、10℃以下か55℃以上での保存が予防策となります。

塩漬けされている食物においても菌増殖することがあります。また、手に付着した菌が原因となることもあります。
食品を取り扱う場合は、自らが健康保菌者として感染源になっていないかの自覚、下痢症状などがある場合は直接関与を控える意識も必要です。

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