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アレルギーSTORY

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病院給食に携わってきて

2019.06.05

投稿者
あおい

Author あおいさん

20代の管理栄養士。急性期の病院で、給食受託会社の管理栄養士として2年間、病院給食に携わってきました。アレルギーの方の入院中の献立を通じ、食物アレルギーについて強い関心を抱くようになりました。今後も食べられるものを栄養上も工夫をしながら、おいしくいただいてもらえるようにお力添えできればと考えています。


私は、急性期の病院で、給食受託会社の管理栄養士として2年間、病院給食に携わってきました。私の主な仕事内容は、病院給食の行事食の献立を考えたり、日々の献立の修正、発注、在庫管理、調理補助、配膳、洗浄作業などで多岐にわたりました。
行事食の献立作成として、三が日の献立を考えたこともあります。入院中とはいえ、行事の日くらいは楽しみたいものです。特に、お正月など特別な日には許容範囲内で、うま煮や簡単なおせち弁当をご提供していました。  
病状に合わせた日々の献立では、薄味になってしまったり、おかずの量が少なかったりと、患者さんが満足できる食事をご提供できないこともあります。しかし、行事で季節を感じながら、いつもと少し違った献立を考えることは、とても楽しくやりがいがありました。

食物アレルギーの方の献立を通じて


しかし、そういった行事食も食べられない方々もいらっしゃいました。例えば、食物アレルギーのある方々です。通常の業務の中でも、日々の献立の中にアレルゲンの食材が含まれている場合は、代替食材を使用していました。ドレッシングなどで卵、乳、小麦、大豆を使用していないものを使用したり、卵の代替では魚を使用することもあります。朝食の献立が目玉焼きの日に、卵アレルギーの方がいらっしゃった場合は、湯豆腐にするなど、調理工程や在庫食材も考慮しつつ、できる限り栄養価にも配慮した代替食材を考えていました。
 
あるお子さんは、卵アレルギーをお持ちで、卵は完全除去対応でした。その日の昼食の献立はオムライスです。私はその方の昼食にはチキンライスでのご提供を調理師の方に伝えました。もちろん、病院職員の方にも伝え許可をもらいます。昼食はその対応で問題なく終えました。しかし、その日の夕食の献立はハンバーグでした。私の職場ではハンバーグに卵が使われており、卵を除去する場合、ハンバーグ自体の使用が禁止となってしまいます。そこで在庫食材を調べ、冷凍の豆腐ハンバーグであれば卵が使われていないことを確認し、代替食としてご提供しました。調理師さんのご協力のもと、ソースで色付けして見た目にもお肉を使用したハンバーグのような出来上がりになりました。
後日、病院の職員からは「病気で食欲がなかったけど、ハンバーグは嬉しそうに食べていた。」と聞き、そういったお声をいただくことは本当にうれしかったです。こういった経験もあり、私は食物アレルギーについて強い関心を抱くようになりました。

仕事を通じて気付くようになったことも多いですが、私は今後も「食べられない」=「食べなくていい」のではなく、食べられるものを栄養上も工夫をしながら、おいしく頂いてもらえるように、多くの方にレシピの提供もできればと考えています。これからも一層、食物アレルギーをお持ちの方々やご家族にとって、楽しい食事の時間が増えるよう、お力添えできればと思います。

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