1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

アレルギーSTORY

人気記事

食物アレルギー、クローン病と向き合って

2018.10.13

投稿者
pti-pancake

Author pti-pancakeさん

幼少のころから多くの食物にアレルギーがあり、長く付き合ってきました。そして大学受験大詰めの時に、クローン病を発症。食事にはさらに気を遣うようになりましたが、旅行と食べることが好きなので近場から遠方まで、出向いたりしています。大学生。

アレルギー症状のある人:私本人(現在21歳)
アレルゲン:卵、魚卵、そば、落花生、くるみ、エビ、カニ、イカ、タコ、トマト(非加熱)、豆乳、非加熱の果物(リンゴ、ぶどう、オレンジ、バナナ、キウイ、桃、メロンetc.)
既往歴:幼少期にはアトピー性皮膚炎、小児喘息、花粉症
クローン病(18歳のとき発症)
クローン病で制限している食物・食品:脂質、食物繊維が多く含まれているもの(雑穀、肉、海藻、きのこ、牛乳、ごぼうやレンコンなどの根菜、納豆、中華麺など

幼少期から食物にアレルギーがあります。思い出す限りの一番大きな症状は、4歳の時にくるみを誤って口にしてしまったときで、声が出なくなるほど気管が狭くなり、ひどいじんましんと吐き気が起こりました。

給食時には


幼稚園では給食がなかったので、みんなと一緒にお弁当を食べていました。牛乳のみ配られますが、幼少の頃は牛乳の摂取を控えていたので、水筒を持参していました。
小学校(自校給食)に上がって、中学年まではお弁当を持参していました。母は、皆の給食のメニューと似たようなものを用意してくれていました。高学年に上がってからは理解ある担任の先生のおかげでアレルゲン除去食を出してもらえることになり、初めて皆と同じ給食を食べたときの喜びは、21歳になった今でも忘れることができません。
自校給食の中学校では継続して除去食を、その後、転校先の中学校では、給食センターの給食の中で食べられるメニューだけを食べて、それ以外は持参という形でした。
高校を卒業するまで、長きにわたりお弁当を作ってくれた母には本当に感謝しています。今まで出会ってきた友達は、「アレルギーがいっぱいあって大変なのにいつも明るくてすごいね」と言ってくれたりとか、遊ぶときに「これなら食べられるよね!」とお煎餅を持ってきてくれたりとか、給食で食べられるメニューが多いと「よかったね」と声をかけてくれたりとか、配慮してくれる友達が多かったと思います。

心配な点、困っている事


パン屋さんが大好きでよく行くのですが、ナッツ類が細かくなって生地に練り込まれているパンもあり、外側からは含まれていることを知らずに間違って食べてしまうこともあります。商品説明カードにアレルゲンや材料が表記されている場合は確認し、見た目にも入っていそうなときは店員さんに確認するようにしているのですが、いままでに3回は聞くのを忘れて食べてしまったことがあります。
また、添加物としての『香料(卵を含む)』やいかにも『照り』だけのために卵が含まれている場合もありますが、そんな時には「これさえ無ければ食べられるのに…」とがっかりしてしまいます。
チェーンのレストランでは、アレルギー対応メニューを見かける機会も増えましたが、子供向けの低アレルゲンメニューだけでなく、大人向けの低アレルゲンメニューもあったらいいのにな、と思うこともあります。

クローン病を発症


そして、私はもう1つ向き合っている病気があります。特定疾患のひとつであるクローン病は、大学受験大詰めの時に発症しました。クローン病だと分かるまでに3カ月かかりましたが、自分の体の不調の原因が分からない時は不安で仕方ありませんでした。さらに、自分には元々たくさんアレルギーがあるのに、お腹に刺激を与える脂質や食物繊維を多く含むものは控えるように言われ、絶望しました。「何で私はこんなに苦しまなきゃいけないのだろう」とマイナスに考える時期もありましたが、今では食べられるものを美味しく調理することを楽しみながらおこなったりして、前向きに過ごしています。
クローン病の患者さんの中には、症状が重く栄養製剤だけで食事を賄っている方もいます。それなので少しでも食べることのできる私は感謝しなきゃ、と思います。発症してから現在までは、2週間に1回免疫抑制剤の自己注射を行い、寛解を維持できています。現時点ではクローン病の原因には様々な説はありますが、いつか完治できるようになる日が来ることを願っています。

クローン病について思うこと


病気になってまず初めに困ったことが、圧倒的に情報量が少ないことです。クローン病にはどういう症状があるのか、普段患者さんはどういう食事をしているのか、果たしてこの食事制限は将来の手術率低下に繋がるものなのか…クローン病と診断された当時はとても混乱しましたし、未だに手探りのところが多いです。
書店に並ぶ本の中にもクローン病について書かれているものは少ないですし、糖質制限やカロリー控えめのレシピ本はあっても「低脂質・低残渣」のレシピ本はなかなかありません。今後クローン病についての知名度や治療の手立てや付き合っていく上でのレシピ本のようなツールがもっと増えていけばいいな、と感じます。

食物アレルギー、クローン病に向き合うようになって気づいたこと


今、私は家族や友達、病院の先生、などなどたくさんの人たちのおかげでここにいることができています。逆にアレルギーと病気があるからこそ、今の自分が作られています。自分の周りにいる全ての人たちに感謝できているのは、アレルギーとクローン病のおかげかなとも思います。
アレルギーや病気、信念などのために食事制限をしている人にとっては、外食や原材料の書いていない食べ物など不自由なことが多い現実があります。外食店でアレルゲンについて聞きづらいと感じたり、親身に対応してもらえなかったりすることもしばしばあるので、社会全体の問題として捉えられる日が来ればいいなと思います。
でも、望むばかりではなくそのために自分にできることを考え、これから少しずつ取り組んでいきたいと思っています。どんなモノでも作ってくれた方々に感謝の気持ちを持つとともに、「今日もおいしいごはんが食べられる」自分の体に、環境に、周囲の方の理解に感謝しながらこれからも生きていきたいです。

    {genreName}

      {topics}