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アレルギーSTORY

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食べられるようになるまでに

2017.10.11

投稿者
たい焼き

Author たい焼きさん

小学1年生の長女は、微量の乳、卵にアレルギー反応があり、アナフィラキシーを続けて起こした時期もありましたが、1年を経て乳は100ml到達、卵は2年ほどで加熱全卵1個まで到達することができました。いまは、乳を使用したホイップの入ったたい焼きをたくさん食べてみたいと目を輝かせています。

居住地域:東京都
アレルギー症状のある人:小学1年生の長女(第2子)
アレルゲン:卵、乳、ピーナッツ
家族のアレルギー歴:夫 アトピー性皮膚炎、花粉症、妻(私) 花粉症、アレルギー性鼻炎

私自身も除去をする日々


第1子の育児の際、私自身が乳製品、辛いもの、揚げ物を摂取すると、乳腺炎がひどくなっている気がしており、食事は和食中心にしていました。第2子の長女においても母乳育児をし、乳製品、辛いもの、揚げ物の摂取を私自身が控えていましたが、長女の乳児湿疹はひどく、病院に受診することにしました。

離乳食開始前に食物アレルギーの血液検査も受け、まずは皮膚の状態を良くすることを優先されましたが、授乳期に母親が卵を摂取していても大丈夫か、相談したところ、心配であれば除去しても構わない、と言われたような印象を受け、私自身、卵、乳、落花生の摂取を控えての授乳を続けていました。

保育園に通園していて


長女は3か月から保育園に通園し、卵、乳、落花生は園でも除去をしていました。肌の状態は良くなり、母乳育児は3歳まで、長女は卵、乳、落花生を母乳からも食事からも摂取しない生活を続けていたのですが、保育園の方から、そろそろ積極的にアレルギーに向き合ってみませんか? と言われたこともきっかけとなり、別の病院に受診することになりました。

食物経口負荷試験をおこなって


まずは、食物経口負荷試験をおこないました。実際にどのくらいの量に食物アレルギーの症状が出現するか、をここで初めて把握するのですが、卵は1/50個で咳こみ、乳は2mlで意識障害、アナフィラキシーに至りました。
ここまで、長女は卵、乳、落花生を摂取しない生活を送ってきており、食物アレルギーの症状を経験していなかったのですが、この程度の量、実際にはもっと少ない量に反応を示してしまうかもしれない程、重度の食物アレルギーであることを、私自身実感することになりました。
また、医師との話を通じ、今までの自己流での除去や、家庭では夫や長男は同じ食卓で卵、乳、落花生を食べており、長女が手に取れる場所に存在する状態であったことなども改め、気持ちも新たに取り組んでいこうと感じました。

経口免疫療法を始める


私を含め体制が整ったタイミングで、経口免疫療法を始めました。
2015年5月~卵を0.2gから開始し、朝、晩それぞれ摂取、その後は量を増やしていき、2017年春に加熱卵1個に到達。乳は2016年10月末~0.05mlから開始し、朝、晩それぞれ摂取、その後は0.1ml、0.2ml、0.5ml、1ml、2ml、5ml、10ml、20ml、40ml、65ml、100mlと少しづつ増えて、約1年間で100mlに到達するところまできました。

少しづつでも食べられるようになるために


ここまで大きな逆戻りなどなく進められたのですが、今になって思えば、心がけていたことがあります。
・これは食べられない、食べてはいけないとただ言うのではなく、いつか食べられるようになろうね、と、長女自身と目標を共有しながら進める
・これだけ食べられるようになったと話しながら、長女自身も少しずつでも食べられる量が増えていることを実感し、達成感を感じられるようにする
・家族全員が早起き。早く起き、朝食を食べてから通学、運動するまでの時間を1時間ほど空けるようにする。
長女の食物アレルギーの症状は、咳、意識障害が主で、迅速な対応が必要な症状ではありますが、痒い、気持ちが悪い、お腹が痛いといった症状がなかったことも、これらの症状のあるお子さんに比べ、摂食時の抵抗感が低かったのかもしれません。

短期間のうちに2回アナフィラキシーを起こしたことも


経口免疫療法を実施する前、長女の食物アレルギーに積極的に関わるようになってすぐにエピペン講習を受け、エピペンを保持するようになって数か月後の3歳の夏に、2回アナフィラキシーを起こしました。
1回目は、チーズのかかったお菓子をお友達が食べている中での発症。絶え間ない咳が続き、会を中座しタクシー内から電話をして病院へ。長女に声をかけ返事はするものの、反応が薄く、途中で意識が途切れるような状態になっていました。病院では、今後このような状態になった場合には、エピペン注射を実施し救急搬送するよう言われました。
その2週後に家族で北海道旅行に行った際、長男が乳を含むアイスを食べた後に飲んだペットボトルの水に、長女が口をつけて飲み、その後で屋外でトランポリン様遊具で30分ほど遊ぶと、また絶え間ない咳が出現し意識障害が起こりました。ここでは1回目での経験を活かし、エピペン注射をおこなったうえで市民病院に救急搬送となりました。

経験から学び


1回目にエピペン注射ができなかったのには、それまでに練習をしていても、お友達がいる中でエピペン注射をおこなうことのやりづらさもありつつ、エピペン注射を実際に自らがおこなう局面で、怖さや不安があったのも事実で、またいつが打ち時なのか、実感していなかったこともあります。ただ、1回目の経験から2回目には成功できたことで、緊急対応においても自信につながったと思っています。

長女自身は経験から、自分以外の人が口を付けた飲料は飲まないようにするようになりました。
2回目のアナフィラキシーは商業施設敷地内でおこったこともあり、商業施設の運営側の方に救急車を呼んで頂いたのですが、電話をかけてもらうまでに時間を要し、救急車が到着するまでに30分超、その時点ではエピペンが効き意識が明瞭になってきていました。今後は、外出時においても、緊急時は自分で電話をしよう、と思ったきっかけとなっています。
また、翌日退院時に、エピペンの処方のために退院時間が後ろ倒しになったのですが、地域によっては、病院にエピペンが不足し、すぐに処方されない場合もあることも、新たな気づきでした。

食物アレルギーについて自己流に捉えていた時期もありましたが、微量に反応し重篤な症状がある場合でも、少しずつ食べられるようにもなる、ということを実感しています。そして適した医療、信頼できる医師との出会いは、ここまで辿り着けている大きな要因と感じています。もちろん、その方の状態や場合によっては期待する結果になるとは必ずしも限らないと思いますが、ぜひ適したアプローチが取られることをお勧めしたいと思います。

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