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好酸球性膿疱性毛包炎について

2015.06.23

投稿者
クミタス

好酸球性膿疱性毛包炎(こうさんきゅうせいのうほうせいもうほうえん)は、赤い丘疹に水疱性の強い痒みを伴う湿疹が顔、臀部、背中、上腕、太ももなどに出る疾患で、皮膚病変部や末梢血の好酸球値が高い傾向にある点が特徴とも言われています(報告によると末梢血の好酸球値は70%前後の方が高い、30%前後の方は特に高くはないことになります)。

この疾患の治療においては、インドメタシンの内服が適用されることが多く、インドメタシンが良く効くようであれば、強い痒みや水疱が出現しなくなります。個人差がありますが、四六時中痒く、睡眠不足に悩まされ気分も滅入っていたところが、インドメタシンの服用を開始した翌日には痒みを意識しない時間が増えていることを実感でき、痒みの無い生活に戻る方もいます。またインドメタシンの外用薬(インテバン軟膏・クリーム)も比較的速やかに効く方もいます。

アトピー性皮膚炎やカポジ水痘様発疹症に似た病変


好酸球性膿疱性毛包炎は、皮膚が赤くなり丘疹、痒みのある水疱ができ、掻いた後は皮がめくれ、というのを繰り返します。皮からは浸出液が流れ出てくることもあり、からだの痒みは途絶えることが無かったり、掻ききむしっていると色素沈着をおこすこともあります。湿疹が出る部位は、触ったり摩擦がよくある箇所になる傾向にあるように思います。

こういった症状から、アトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟こうが処方されることが多くありますが、好酸球性膿疱性毛包炎にはステロイド軟こうは無効です。掻きむしった後の皮膚の傷の見た目の修復にはステロイドは効くことはありますが、好酸球性膿疱性毛包炎の症状の鎮静、快方には向かないとも言われています。

アトピー性皮膚炎などが悪化した状態と間違われることがあり、アトピー性皮膚炎の病変にヘルペスウィルスや、コクサッキーウィルス、ワクチニアウィルスが感染したカポジ水痘様発疹症や、ステロイド治療による悪化状態の酒さ様皮膚炎、また掌蹠膿疱症や他の毛包炎などと間違われることがあります。

カポジ水痘様発疹症においても、ステロイド治療は無効で、バルトレックスなどの抗ウイルス薬、湿疹面積が30%以上の場合は点滴による抗ウイルス薬投与になりますが、こちらも好酸球性膿疱性毛包炎には無効です。

好酸球性膿疱性毛包炎は報告されている症例数が多くはありませんが、アトピー性皮膚炎とされていて、ステロイドが効かない方は、憶えておきたい疾患です。潜在的にはもっと患者数が多いようにも感じています。

原因や作用について


好酸球性膿疱性毛包炎の診断の上では、病変部の皮膚生検で好酸球の湿潤を認めるか、が重要になるとされています。

皮脂腺細胞にはアラキドン酸が結合していますが、ホスホリパーゼA2によってアラキドン酸は遊離され、酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)によってプロスタグランジンが産生されます。この産生されるプロスタグランジンの1つ、プロスタグランジンD2によりエオタキシン3(ケモカイン)の産生が増加し、毛包脂腺系への好酸球浸潤を亢進することが好酸球膿疱性毛包炎の病態に関与しているとの報告があります。

インドメタシンは非ステロイド性抗炎症薬で、シクロオキシゲナーゼ(COX)を活性化させないようにすることで、症状を鎮静化させています。
そのため、インドメタシンを服用している間は、症状が緩和、鎮静状態になりますが、インドメタシンの服用を中止すると、症状が再燃する場合があります。
インドメタシンは、効く方には好酸球性膿疱性毛包炎の症状を比較的即効性をもって抑えられる味方なのですが、服用継続していないと症状を抑えられず、年単位で継続服用する方もいます。
プロスタグランジンD2は、アレルギー炎症にも関わりがあります。

好酸球性膿疱性毛包炎は20歳代以降から発症するケースが多いようですが、何がスイッチになって発症するのか、まだ不明な部分が多くあります。ただ、好酸球性膿疱性毛包炎と診断されることで、比較的短期で症状が安定するようになります。

ただ、インドメタシンの長期服用により、シクロオキシゲナーゼ活性阻害が長期に渡った場合、プロスタグランジンD2以外に産生されるプロスタグランジンH2、E2、I2、トロンボキサンA2の産生阻害も長期に渡ることのリスクがどの程度あるのか、知りたいところでもあります。
ちなみに、プロスタグランジンE2は腎機能維持、利尿作用もありますが、インドメタシンによるプロスタグランジンE2産生阻害によって、むくみや腎機能低下をもたらす場合があります。

肝障害や胃腸障害などのリスクもありますので、長期継続服用されている方は、処方されている病院で定期的に体の状態をチェックされると良いかと思います。
また、インドメタシンを服用中の方は、抗生物質のクラビットと併用すると、けいれん、てんかんをおこす可能性もあります(クラビット単体でのリスクとそれほど差がないとの報告もあります)ので、他剤含め飲み合わせについては相談されることをおすすめします。

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